そしてSの顔を見ると、険しい表情で喋り始めた。
「これから『蘇生の儀礼』を執り行いと思います。
ただ始める前に一言述べておきますが、この儀式でM代さんがこの人間界に舞い戻るかどうかは、私の霊力とSさんの思いの強さにかかってます。
また復活したとしても、必ずしも以前の彼女とは限らないということをご理解願います」
「それはどういうことですか?」
Sの問いに陰陽師は一度うつ向くと、また彼の顔を見ながら続ける。
「人がその業の結果として輪廻転生をする6種の世界を『六道』と言います。
それは、
餓鬼道、畜生道、修羅道、地獄道、人道、天道の6つを指します。
M代さんが今回人道に復活してもらえば、
良いのですが、餓鬼道や畜生道とかだと、かなり厄介なことになります」
「餓鬼道、畜生道というのは、どんなものなんですか?」
「餓鬼道は常に飢えと乾きに苦しむ世界です。
飢えを満たすためには人間にも襲いかかるような、そんな世界。
畜生道は動物の世界。
無意味な殺しあいに苦しみます。
M代さんがこれらに生まれ変わらないことを、願いましょう。
では始めます。
SさんもM代さんが人道に戻ってこれるよう、魂呼びをお願いいたします」
そう言うと神棚の剣を手に取り、前後に揺らしながらなにやら難解な呪文を唱えだした。
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 1票


























※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。