を開けて祭壇に蝋燭を灯して扉を閉め、お婆さんを扉の前に呼びます。
「扉を開けてはいけませんよ」と白木の扉の窓からそっと中を覗くようにお婆さんに
言うのです。
お婆さんが中を覗くと祭壇の前に白い袴姿の巫女が笑って座っていました。
「あれ・・あの人が神様かい」と宮大工に言うと「あの方です。毎度夢に出て来る
神様・・・」と宮大工はそういうと「どことなく貴方の若い頃に似てませんかね?遠い遠い
ご先祖様だとご本人が言っておられましたから」
「そうかね・・私の若い頃に似てる?のかね」
フッと蝋燭の灯は消えて真っ暗になります。
宮大工は呆れたように「ほら・・疑うから消えてしまうのです」
そうして最後の夜は終わり翌日には宮大工は道具を詰めると背負袋にいれてお婆さんに
別れを告げ去って行きました。
宮大工と仏師と言う職業の人たちはある程度は「見える人が多い」ようです。
その人たちが見る「神」と呼ばれる形は「巫女の姿」と共通してるのが不思議ですよね
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