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不思議体験

fudousanyaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

神の姿
短編 2025/12/01 17:27 2,981view
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出してくれたお茶を飲みながら、お婆さんに言いました。

「実はですね。僕・・貴方達が来ることを知っていました。教えてもらっていたんです」

と言うのです。

お婆さんたちが尋ねて来る二日前に夢に巫女さんが現われて「もうすぐ社を治してくれと

言う集落の人たちがやってくる。受けてあげてほしい・・」と言われたのだそうです。

「わたしは社の守りだが、この度の大雨でなんとか村人は守れたが住処が壊れてしまった

 集落の人たちがなんとか治してくれるらしいから頼まれてほしい」

と言い、宮大工は夢で「はい、きれいに治しますのでご安心ください」と答えてしまった

驚いたお婆さんに「よくあることなんですよ」と若い宮大工は言うと、それからも毎日

少しづつ一人で修理していく、ところが毎晩の夢に巫女さんが現われて宮大工にいろいろ

と集落の事を教えるようになったのです。

「あのですね。五年前に作った梅酒を茶碗にいれて持って来てほしい。と言ってました」

「餅を楽しみにしてる」「下の家のお爺さんを病院に行かせるように」「あの家の屋根を秋まで

 に治しておけ」と言うお婆さんへの伝言を宮大工に夢で教えるのです。

「婆さんに語り掛けてもまるで聞こえないのだ」が理由だそうで、お婆さんは信心があるけど

神様の事を漠然と考えていてイメージや姿を想像もしたことが無い人には神の声は聞こえない

のだそうです。むしろ宮大工のように身近に神を感じてイメージできる人には声が聞こえる

「五年前に漬けた梅酒??あああ・・あるある」とお婆さんは茶碗に入れて社にもっていく

のでした。

そして神様は残念な事も宮大工に教えてくれます。

「お婆さんはこの場所から動けないそうです。息子さんとは一緒に住めないんですって

 理由は、お婆さんの御先祖が今の社の神だからだそうです。」

「そうかい、でも構わないよ。ここで1人で暮らしてここで死ぬのは決めてるから」

「でもね。ものすごく感謝してますよ。あなたの事が大好きだと」

「じゃ、一度でもいいから姿を見てみたいものだね」

そんな日々も過ぎて 社が山の木々で新しくなり、白木の扉をつけて完成したのでした。

その日の夜は集落の住人が社の前で酒を呑み歌を唄い、若い宮大工もその輪に入って

いました。「明日はかたずけをして終わりましたら失礼します」と言うと村人は

感謝の言葉を次々と若い宮大工に掛けます。

村人が去り、静かになった社の前をお婆さんが箒で掃除していると、宮大工は社の扉を

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