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不思議体験

fudousanyaさんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

神の姿
短編 2025/12/01 17:27 968view

出してくれたお茶を飲みながら、お婆さんに言いました。

「実はですね。僕・・貴方達が来ることを知っていました。教えてもらっていたんです」

と言うのです。

お婆さんたちが尋ねて来る二日前に夢に巫女さんが現われて「もうすぐ社を治してくれと

言う集落の人たちがやってくる。受けてあげてほしい・・」と言われたのだそうです。

「わたしは社の守りだが、この度の大雨でなんとか村人は守れたが住処が壊れてしまった

 集落の人たちがなんとか治してくれるらしいから頼まれてほしい」

と言い、宮大工は夢で「はい、きれいに治しますのでご安心ください」と答えてしまった

驚いたお婆さんに「よくあることなんですよ」と若い宮大工は言うと、それからも毎日

少しづつ一人で修理していく、ところが毎晩の夢に巫女さんが現われて宮大工にいろいろ

と集落の事を教えるようになったのです。

「あのですね。五年前に作った梅酒を茶碗にいれて持って来てほしい。と言ってました」

「餅を楽しみにしてる」「下の家のお爺さんを病院に行かせるように」「あの家の屋根を秋まで

 に治しておけ」と言うお婆さんへの伝言を宮大工に夢で教えるのです。

「婆さんに語り掛けてもまるで聞こえないのだ」が理由だそうで、お婆さんは信心があるけど

神様の事を漠然と考えていてイメージや姿を想像もしたことが無い人には神の声は聞こえない

のだそうです。むしろ宮大工のように身近に神を感じてイメージできる人には声が聞こえる

「五年前に漬けた梅酒??あああ・・あるある」とお婆さんは茶碗に入れて社にもっていく

のでした。

そして神様は残念な事も宮大工に教えてくれます。

「お婆さんはこの場所から動けないそうです。息子さんとは一緒に住めないんですって

 理由は、お婆さんの御先祖が今の社の神だからだそうです。」

「そうかい、でも構わないよ。ここで1人で暮らしてここで死ぬのは決めてるから」

「でもね。ものすごく感謝してますよ。あなたの事が大好きだと」

「じゃ、一度でもいいから姿を見てみたいものだね」

そんな日々も過ぎて 社が山の木々で新しくなり、白木の扉をつけて完成したのでした。

その日の夜は集落の住人が社の前で酒を呑み歌を唄い、若い宮大工もその輪に入って

いました。「明日はかたずけをして終わりましたら失礼します」と言うと村人は

感謝の言葉を次々と若い宮大工に掛けます。

村人が去り、静かになった社の前をお婆さんが箒で掃除していると、宮大工は社の扉を

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