『ねぇ、S、遅かったね。』
第五章 就寝
私はKのことが耐えきれなくなり、部屋に戻るとすぐにKが何か言っていたが、フル無視しすぐ、今さっき着いたばっかりのUの部屋に遊びに行った。ここならKは来ない。するとスマホを部屋に忘れたことに気付いた。戻りたく無かったが、無いと何もできないので仕方がなく取りに帰った。ドアを開けるとKが俺のスマホをいじっていた。
『あぁ〜S?スマホ忘れてるよ?』
私は気味が悪くて仕方がなかった。さっさと取り上げてUの部屋へと帰って行った。Uとホラー映画を見たり、ゲームをしたりと楽しんでいたが、気づけば2時になっていた。流石にKも寝ただろうと思い静かにドアを開けた。
だが、Kはこちらを向いてニッコニコで言った。
『やっとS帰ってきた』
私は動けなかった。どうしてもKがただの人間とは思えなかった。無視しても一人で何か呟いているのだ。
怖過ぎて風呂に入ってお落ち着こうとしたが、視線を感じる、、、
湯船は諦めて、さっさと上がり、着替えようとドアを開けた瞬間Kが『やった!見てるのバレなかった!!』と言ったのだ。
怖くてたまらなかった。
その後は、Kがよくわからないショート動画を見て勝手に笑っていたので布団に潜り込み、Kが何をしててもわからない様にして寝た。
その後、Kが何をしていたのかは分からない。
第六章 悪夢の始まり
この日は、全員でクチトンネルや戦争証跡博物館などを回ろうと言う話になっていたので朝食会場のバイキングに一人で向かった。Kを起こさない様に5時におきて散歩をしてからきたのだ。楽しくて仕方がなかった。
優雅に紅茶なんて飲んでいたが、後ろから嫌な気配を感じ取った。声がかけられる前にすぐ席を立ち部屋に帰ろうとし、帰り際にチラッっと席の方を見たが案の定Kだった。後から来たUがKに絡まれて可哀想だったが、一刻も早く
準備をして部屋から出たかった。
準備が終わりホッとし、部屋から出てエレベーターで下に向かおうとしたが、エレベーターの前にKが
いた。嘘だろ?と口に出しそうになったが、なんとか抑え、あたかもスマホを見ていて気付いていなかったかの様に振る舞った。やはりKが近寄ってきて、『ねぇ?S?バスの席なんだけどさぁ〜、俺窓側でいい?』と言ってきた。
正直、お前と座る訳ないだろと思ったが、私は『あぁ、はいはい、どーぞ』と容認するような発言をしてしまった。
エントランスに全員集合しバスに乗ろうと歩き始めたのだが、私はOと一緒に話しながら歩いていた。鼻からKと一緒に乗るつもりなんてなかったのですから。しかしKは一瞬の隙を突いてOと私の間から割り込み、ニッコニコで
『いやぁ〜、クチトンネルどれぐらい狭いんだろうね』
『ベトナム戦争の跡ってどんなんなんだろう』
『観光地だからスリ気を付けないとなぁ〜』
『ねぇSさぁ、昨日眠れた?』
などまた沢山話していた。私はイヤホンをし、ゲームをすることにした。
バスはそれで過ごせたのだが、問題はその後だった。私はただ一人で写真を撮りながらぶらぶら回ろうと思っていたのだが、Kが何も言わずただ付いてきたのだ。そしてまた、一人で何か呟いていた。
一人で色々見たかった私にはもの凄いストレスだった。早く歩いても、遅く歩いても、どこかに行っても、ずーっと付いてくるのだ。まるで青鬼の様に、、、






















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