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ヒトコワ

sさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

悪寒
長編 2025/11/12 17:57 2,868view

第三章 思い過ぎでは無かった

 フライトが終わり、降りようと準備をしていると、真横に影が出来た。そう。Kだった。『ねぇ、S、降りよう。』私は悪寒がした。私が準備を手間取っているふりをしている間もKは真横にいた。後ろが詰まり、もう少しで声がかけられそうという時になってようやくKは歩き出した。こっちをじっと見つめながら、、、
安心して飛行機から降り、一旦同級生達と合流し入国審査に向かおうという話になっていた為、合流しようと通路を歩いていると、視界の端に嫌な気配を感じた。無視しようと歩みを早めたが、背後から
『ねぇ、S、フライト長かったね』
『機内食どっちにしたの?』
『いやぁ、ホテルどんななんだろうね』
『ホテル向かう時のバスの席、窓側でもいい?』
『いやぁ、入国審査厳しいかなぁ?』
と畳み掛けられるように話され、気づけば、また真横に張り付いていた。
私は同級生と合流し仲のいいOに耳元で小さくタスケテと囁いた。さらに親指を曲げその親指を他の指で包み込むジェスチャーでも助けを求めた。勘のいいOは察してくれて、私とKを隔てる防壁となってくれた。そして、Oとゲームの話で盛り上がった。久々に会話が楽しいと感じた瞬間だった。

K O 私

という感じの並びで入国審査に行き、私はOと一緒にスーツケースを受け取ってバスに乗ってしまおうと話していた。だがKは出口にいた。『でさ〜S?』そう話かけた時にOがすかさず、『あれ〜?あいつらどこ行ったんだ?いね〜じゃん!』と間髪入れずに話してくれたおかげで話題がそっちに行き、Kは少し睨みながら後ろからついてきた。
その後同級生と合流しシャトルバスに乗ろうとなり、Kが『バスの席なんだけどさ、、、』と言いながら、早歩きでやや後ろまで迫った時に、Oが『ツーショ撮ろ〜ぜ!』と言ってくれた事でKはどうやら写真が嫌いらしく少し離れた。
私はこの瞬間を逃すまいとOと一緒に早く歩きツーショを撮りつつ、バスにOと乗り込むことが出来たのだ!
しかし、そう思った瞬間Kが真横で睨みつけながら通り過ぎていったのだ。まるで般若の如く、、、
私は、ものすごく後悔していた。Kと一体どのように過ごせと言うんだ、、、
この頃から私は少しおかしくなっていた。
ホテルに着き、案の定バスの出口で待ち構えていた。Oが何かしようとしたが、このまま部屋に行くので私は諦め、
Oに『もういいよ、ありがとう🥲』と私が通常でいられる間の最後の挨拶をした。
すかさずKが
『いやぁ、もう、なんでバス席隣にしようて言ったのになんでしなかったの?』
『まぁいいけど、いやぁ〜でもV国はスリとか多いって聞くからね〜怖いね』

『ま、でも住んでたフランスほどじゃないけどね😤ドヤ』
『部屋着いたらシャワー浴びる?浴びないなら入っちゃうけど』
など色々ほざいていたが、シャワー浴びない訳ないだろアホと心の中で思った。
その日の夜は、それ程えげつない思いをする訳でもなく過ごすことができた。

第四章 隔離

Kの朝は早い。
朝食を食べる為に6:30に起きようとしたのだが、私は6時に起こされた。
さらになぜ早く起こすのかと聞くと、『いやぁ、俺さぁ〜、ちょっと食うの遅いからさぁ〜』とまた訳のわからない事を言っているので私が『それなら、量減らすか一人で行っちまえよ』と言ったが、Kは布団を剥ぎ取るという悪魔のような事をしだしたのだ。『ほら、早く行くよ』と催促され、殴りそうになったが面倒なことになっても嫌なので従うことにしたがこの判断がKを暴走させることになった。
その日は数人で別れて街を見学することになっていて、私はすでに組む人を決めていたのでKをおきざる様に集合し
なんとかKから離れることができた。Kは恨めしそうに私を睨んでいた。
その後は普通に楽しく、お土産も沢山買い、Kの事などほぼ忘れていた。が再び悪夢が始まる。
見学していた人たちと解散しホテルに戻ろうとした時にエントランスでKが待ち構えていたのだ。
そう、ずっと待っていたのだ。

2/5
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