魔がさすとき――【人の心】が見えた坂

　今、俺は車を運転する身だ。皆さんは笑うかもしれないが、俺の運転適性は５段階で２だった。つまり、俺は車の運転に向いていないのだ。（５段階で３の人が一番多いらしい。１の人だと、死亡事故を起こす可能性があるという）

　それもあり、俺はいつも安全運転を心がけている。「かもしれない」を常に意識し、ハンドルを握る。「慎重すぎて怖い」と妻にはよく言われるが、俺は今のところゴールド免許を保持している。

　もう二度と、事故の加害者になってはいけない。二度と過ちを犯さないためにも、俺は今日も安全な運転をするのだ。和解は成立しているが、あの被害者女性と彼女のご家族に、たいへんなご迷惑とご心配をおかけしたしたことを忘れてはいけない。最新の注意を払って運転することが、大人になった俺なりの償いでもあるのだから。

　あの誰そ彼時に、泣きじゃくる俺の話を辛抱づよく聴いてくれたお兄さん、本当にありがとうございました。そして、俺がお怪我を負わせてしまったあなたと、ご迷惑とご心配をおかけしたあなたのご家族の幸せを、今日も心から願っております。