「そういうことこの大学でもあるんだ~へ~」
とC子は楽しそうだけれど、かといってどうこうというわけでもなく、なにこれ? 俺の話C子と仲良くなるためのダシにつかった? とか思ってると。
C子はしばらく考え込むとこういった。
「コックリさんの10円玉みたいな感じか」
「コックリさんの10円玉?」
「え、知らない? コックリさんで使った10円玉は呪われてるから持っているとよくない。だから必ず使わないといけないとか、1枚で使うこととか、埋めるとかいろんなパターンが地域ごとにあるんだけどさ」
「それなら知ってます」
「コックリさんの質問に答えてもらった10円はよくないものになった。だから自分たちがもってるとやばい。そんな感じでそいつは自分の厄を500円玉にどうやったかは解らないけれど入れて、他の誰かにもっていってもらうことで、自分が本来かぶる厄を誰かに押し付けた」
その話に俺とAはうなずいた。
「その得体のしれないよくない感じを、俺君はわかって避けれた。けど持って行った人は避けられなかった」
「そうそう、なんかそういうことを突然言われたからむちゃくちゃ怖くて」
「少なくとも俺君に話しかけてきたやつは、持っていくかどうかを見える位置で確認していたって考えると不気味よね」
『わかるやつにはよくないってわかる』男がそういったってことは、男は俺が自動販売機で買い物をしたのも見てたはずと思うとさらにぞっとした。
「あっ、そうか」
男が俺のこともずっと見てたってことに今更気が付いて余計に怖くなる。
「少なくとも、どうなったかを見張るくらいは、効果があるって人がいるってことが何らかの効果をもたらすかもしれないわね。まぁ、怪しいお金は拾わないことね。冥婚とかもそうだけれど、封筒を拾ったことで縁ができたってことでやるやつだからね。拾うっていう縁を結ぶ行為をしない限りは、厄はおしつけたくても押し付けられないんだと思う」
「じゃぁ、よくわかんないけれど。500円を拾わなかったから俺はそいつと縁が結ばれてないから呪われたりはしない? ってことですか」
「そんなとこ。呪いの藁人形でも、ただ呪いたい気持ちだけじゃ発動しなくて、相手の髪がいるとか本人との縁がいるんじゃないかな?」
「なるほど……」
「誰がこんなことをしたかはわからなくても、誰がもって行ったかは顔を見たんでしょ。
これがただの質の悪い悪戯の範囲なのか。マジで効果のある呪術なのかはのちのちわかるんじゃない?」
そう言われると、俺は持って行ったやつのことがすごく気になって、大学にいるときはそいつを探すようになった。
俺と学部は違ったけれど、まだかなり授業をとっているようで、たまにみかけるんだけれど。
どこか鬱々として少しやつれてたが、しばらくするとそれもなくなった。

























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