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不思議体験

56さんによる不思議体験にまつわる怖い話の投稿です

団地、56棟の五階。
長編 2025/09/29 23:10 3,107view
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付け足しのようで恐れ多いと言いますか、こじつけのようですが私は少しばかり霊感があったとされており、隣人が首吊り自殺があってからは頻繁に家に入ってすぐの廊下、水回りがぼんやり暗くなるのを感じていたので、

「暗くなってきた」

と母に告げると玄関前と中に盛り塩を置く。

するの部屋が徐々に明るくなる。

そんな習慣があったりもしたんです。

私は怖がりなので、ただ不気味に思ったタイミングで「暗くなってきた」と言ってる可能性は拭えなかったので、イマイチ自分に霊感があるとは思っていなかったんです。

何も見えないし。

ですが、家族間ではそんな立ち位置。

ある日、流石に霊感を疑うような奇妙な事が起きました。

夢を見たんです。隣人が分厚い本を売りに玄関先に立っている夢を。

でもその夢は現実であった場面とは違い、私は何故か四階から上がってきて母が玄関で追い出そうとしている姿を目撃する夢です。

霊感を信用されている私なので、

「こんな夢を見たよ」

母に何気なく告げたのですが、
母は驚いた顔で、

「ママも夢を見た。玄関先で一人で追い出そうとする夢。そしたら貴方が帰ってきて、隣人を引っ張り出してくれたの」

私と母の夢が繋がっていたと言いますか、同じシーンを見ていたんです。

この、「霊感」は何の根拠もなく信じていたわけではなくて、母方のおばあちゃんは霊感が強く、占いをやっているような人でした。

そのおばあちゃん曰く、私が一番霊感があるよと、そう言われていた背景もあるのです。

そんなおばあちゃんなのですが、

隣人が自殺してからは家に来なかったです。

自殺があったから一度家に来た事があるのですが、

玄関の扉を母が開けようとした際、四階の途中で足を止め、

「今日はやっぱり帰るわ」

と帰って行ったのが最後でした。

後日知ったのですが、

「階段に座ってはる」と。

「あんたらが玄関開けようとしたタイミングで階段から立ち上がって部屋に上がり込もうとしてる。おばあちゃんが近付くといい事ないから、今の家には行かんとく。盛り塩をもっと高く、量は多く、盛りつけなさい」

と、悪影響になると判断したおばあちゃんは以降家には来なかったです。

友達が「団地の五階から手を振ってるあの人は誰?」と一階の道端でたむろしている時に急に言ったりするのですが、誰もいません。

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