怖がりつつ、全員に揶揄われていると感じた友達は怒って帰ってしまったり、以降ずっと妙な雰囲気があった団地。
私が中学2年生の頃にいよいよ引っ越す事になりました。お金が貯まったわけではなさそうで、
「そろそろ本当に気味が悪い」
と、両親が限界を感じていたと言いますか、おばあちゃんから引っ越し代としてお金を少し出してくれた事がキッカケだったそうです。
いよいよ来週引っ越し。そんな時に私はこれまで一度も気にかけていなかった、とあるものが気になりました。
何故か、気になったんです。
「KEEP OUT」と貼られた一階のポストです。
2年間、テープで塞がれていたポスト。ただ、それだけです。
本当に絶対それだけなのに、私は何故かものすごく気になってしまい、
中学2年生、別にそんな面倒な事をわざわざする意味なんてないですよ。でも、何重にも貼られたテープを一枚ずつ剥がす事にしました。
目的は分かりません。理想もない。
向かう先に何を求めていたのか、10分近くかけて粘着剤でベタベタになりながらも爪を立ててテープを剥がしていったんです。
ようやくそろそろ。
ラストだろうと思わんばかりの大きな一枚のテープを剥がしたとき、
ポストからはハガキが大量に飛び出てきたんです。
ただそれだけ。
「あーあー」
床に散らばった封筒をかき集めて、なにしてんねん。そう思いながら一枚一枚集めていたのですが、
妙でした。
封筒やハガキの日付がそう遠くないんです。
なんなら並べてすぐに分かりました。
「頻繁に投函されてるやん」
近い日付がいくつもありました。
ですが、2〜3年分のハガキって事もなさそうな、片手で持てるぐらいの量です。
不良が原因なのか、大雑把な私はハガキを全部ゴミ箱にしてようとしました。
ですが、ポストから出てきたのはハガキや封筒だけではなく、
無数の葉っぱも散らばっていました。
「ん?」と思いながら葉っぱを手に取り、目線を上げて大量のテープを剥がしたポストを見ると、
ポストの中は大量の葉っぱで埋まっていたんです。
























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