私はデスクの前の椅子に座ったまま、傍らのベッドに視線を移す。
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3日前、隆志はこのベッドで仰向けに横たわり亡くなった状態で発見された。
警察に呼ばれ遺体の確認をした時、私は息を飲む。
隆志の顔は紫色に変色し異様に浮腫んでいた。
そして両目は大きく見開き口をぽっかり開いており、まるでとんでもなく恐ろしいものにでも遭遇した時のような顔で亡くなっていた。
死後一月は経っていると、警察の人は言った。
死因は心臓発作。
隆志には心臓の持病などない。
警察曰くは恐らく事件性はなく急性の心臓発作だろうということだが、何故か溺死した人のご遺体によく似てるということだった。
ただ一点不審なことはベッド傍らのカーペットに、雨漏りでもあったかのような灰色の丸いシミが出来ていたこと。
このアパートの部屋は現在立ち入り禁止になっているのだが、隆志の死がどうしても受け入れられなかった私は今日、合鍵で立ち入ったのだ。
─ともみがくる、、、と隆志は書いている。
しかも夜に。
私は時計に目をやる。
午後10時20分。
─ともみ、、、
この名前には記憶がある。
隆志とは定期的に電話で連絡を取り合ったりしていたのだが去年話した時、ともみという女性と交際していると言っていた。
私は改めて写真に視線を移した。
─川面の上に立つ、この女、、、
これがともみさんなのか?
いやでも見る限り、この女性はこの世のものとは思えない。
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