あ、今度はハローワークで印刷してきた求人案内と、求人誌だ。
いらないって言ってるのに、いつも持ってくるんだよなぁお母さんは。
ずっと置いてあるからどんどん溜まってくし、もう1メートルくらい積み上がってるんだもんなぁ。
そうやって、ひとつひとつどけていきながら、とうとう僕の顔が全て露わになってしまう。
しまった、飛び出すタイミングを見失ってしまった。
でも、見つかってしまったんだったら、もう素直に降参しよう。
涙の理由も聞かないと、慰められないしね。
僕が口を開こうとした時、右手を大きく振り上げたお母さんは、口を歪ませて言う。
「みいつけた」
お母さん、大好きだよ。
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