中学生の私には一つ悩みがある。
その悩みというのが、私は美術部の部活動で絵を描くのだが、毎回雨合羽を着た自転車に乗っている少女を描いてしまうことだ。
しかも、その女の子を描いた覚えが自分でもないのだ。
友達にこの悩みを打ち明けたが、全く信じてもらえなかった。
いつになったらこのことが解決するのかと自分の描いた絵を見ながら行き帰りの近道になる河川敷を歩いていると、風に揺られながら一つの紙が地面に落ちた。
何となく私はそれを自分の描いた絵を持ってない手でとり、見てみると、その絵には私の描いた絵と同じように雨合羽の自転車に乗った少女が描かれていた。
「あのぉー?」
絵を見ることに夢中になっていた私はその声を聞いてハッとした。
顔を上げるとそこには私と同じくらいの年齢と見られる女の子がいた。
その女の子は不思議そうに
「その絵がどうかしたんですか?」
と聞いてきた。
私は素直に
「あっすいません。私も同じような絵を描いたことがあったので。」
と答えた。
女の子はピンと来てなかったので、私は自分の描いた絵をその女の子に見せた。
すると女の子も私がその子の絵を見た時の同じような反応を見せた。
それから法面で、私たちは絵に関する話をした。
それでわかったことは、私も女の子も理由は違えど、よくこの河川敷に行っていることだ。
私は行きと帰りの近道になるから、女の子はこの河川敷を描くのが好きだからよく河川敷に来ていた。
この共通点から、私たちはこの少女が何かを伝えたいのではないかという結論に陥った。
そんなことをしているうちに日が暮れてきたので、私たちはそれぞれの家に帰ることになったのだが、最後にメールを繋げて、女の子の名前(佐藤優ちゃん)とまた会おうという言葉を残してくれた。
家に帰ると、お母さんが料理をしていて、いつもより私の帰りが遅かったのでどうしたのかと聞いてきたので、
「友達と話しながら帰っていたら、思ったより話が盛り上がって遅れちゃった。」
と、どうせ本当のことを言っても信じてくれないと思ったから嘘をついた。
その後、お父さんも帰ってきて、私たち家族は食卓を囲んだ。
食事中私は両親に
「あの河川敷について何か知らない?」
























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