俺はYouTuberに憧れている高校生だ。
ただ、YouTuber一つで食えるようになるには、やはり、過激な内容が手っ取り早いと考えた俺は、有名な樹海で1日キャンプ泊をする様子撮影することにした。
不気味なほど暗い夜空の下で俺は撮影に挑んだ。「こんにちは!からの超ビビリ屋!」そんな個性的な挨拶にも返事や反応の一つもないという事実がこの空間の空気をさらに寒くさせていた。
そんな感じで挨拶と企画の説明を終わらせて、早速樹海で何かヤバいものがないかと探し回る。
しかし、そんなことをしてもめぼしいものを探すことはできなかった。
そして、動き回ること数時間結局撮れ高があまり無い状態となり、疲れ果てた俺はテントで休憩することを余儀なくされた。
何とかテントを設置できそうな場所を確保し、ホッとしつつ俺はテントの外にカメラを設置して熊などの動物がテントの近くに来ているところを撮影して何とか撮れ高を確保できないかと考えた。
休憩してから1,2時間経った俺は流石に時間が時間なこともあり寝ようとした、そんな時だった。
ペシャ、ペシャ、バキャ、ペシャ、ペシャ、バキャ
というこちらに近づきながら何かを噛み砕いているような音が聞こえてきた。
何だろうと思いそーーっとテントのファスナーを少しだけ開けた俺はそれを見て後悔することになった。
そこには5つの大きく目を開けて苦しみを叫ぶような男女の顔と合わせて6個の細長い手足と白い肌を持った化け物がそこにはいた。
俺は固唾を飲んだ後ゆっくりとファスナーをしめて目を閉じた。
そして、俺のテントの一歩手前の所でその化け物が歩みを止めた。
恐らく撮影によりランプが光っていたカメラに目がいったのだろう。
化け物は恐ろしく生気の感じない声で
「お前も疲れたのか、一緒だな、一つになろう分かち合おう、一つになろう分かち合おう、一緒じゃなくても一緒にさせて、一つになって分かち合おう、一つになって分かち合おう」
と恐怖心を煽るような声で歌った後に、バキャリ、メキャア、ボギャ、バギィと恐らくではあるがカメラを噛み砕くような音を出し、その場を後にした。
一睡もできずに翌日になると俺は恐る恐るテントのファスナーを開けると、地面にはカメラの部品の破片がバラバラと落ちてあったのと痩せ細った人の足跡のようなものがあった。
それ以降俺は、なるべく無茶なことはしないようにすることを心がけた。
そんなことをしたら、また、あの音が何処からか聞こえてくるのでは無いかと思えてきたから。























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