そうしたら”それ”は私の気の強さに驚いたのか、それ以降は少しおとなしくなった。
ここで私が終始気を付けていたことは、この”異質なもの”に質問をしないことである。こいつが、2年余り前に私の左肩をたたいたものと同じ存在かどうかは分からない。とにかく、人ならざるものに関心を持たない方がいいと私は感じていた。
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私大入試を間近に控えた頃、私は2日連続で野良猫2匹が争う声を聞いた。その翌日、また一匹の野良猫が恋の歌を唄っているらしかったが、その直後、猫のブギャアアア~ッという痛ましい声を聞いた。翌朝、家の周りを軽く散歩したが、道は綺麗なままで、猫もいなかった。
それから2~3日経った後、私は寝る前にふと東の窓越しに夜闇を見たいと思い、2枚重ねのカーテンを開けた。そしたら、その窓の外に見知らぬ青年が立っていた。顔をガラス窓にくっつけて、にたぁ~っといやらしい笑みを顔一面に湛えて。私と似た年の若い男だったが、私とは顔がまるで違う。今、ガラス窓に映っているのは、自分の虚像ではない。
この男は、夏の羽虫のように電気スタンドの光につられ、窓とカーテンの向こうにいる私の姿を想像していたのだろう。無論私は驚いたが、もう疲労に耐えられなかった。
私はさっさとカーテンを閉めて、さっさと寝てしまった。この離れ屋の他の窓はシャッターまで降ろしてあり、入り口の鍵も万全である。
ちなみにこの離れ屋は平屋建てであるので、あの覗き見やろうは人間である。
更に補記をするが、この離れ屋は高さ1,5mの石垣の上に建てられている。離れ屋がある分、この石崖の歩く幅はとても狭い。大人の男性が一人歩くので精一杯であり、石垣の下は畑である。
毎日遅くまで、女子学生が平屋建ての離れ屋で、一人受験勉強をしていることを知っている奴が犯人である。近所の人を疑いたくはないが、あのニヤケた男は当時近所に住んでいた高校生だったのだろうか。とすれば、あの変態は私よりも3歳年下の、同じ小学校の卒業生と言える・・・・・・。
不審者というものは大胆不敵であり、自分の欲望を満たす為には、どんなことでも平気でする生き物である。
魑魅魍魎よりも、人間の方が恐ろしい。皆さんも、気を付けてください。


























沈丁花です。一部脱字と誤字がありましたので、訂正しました。これまで読んでいただいた皆様、本当申し訳ありませんでした。
沈丁花です。上記のコメントにまたもや脱字がありました。「本当」ではなく、「本当に」が正しいです。重ね重ね、申し訳ありませんでした。