母方の祖父がその生涯を閉じた翌日、両親と私は通夜のお手伝いに行った。その際に、短慮な私はまたもや間違いを犯した。母方の伯母に、【先祖から祖父に言伝を頼まれたこと】を具体的に話してしまったのだ。伯母はきょうだいの中でただ一人、祖父の臨終に立ち会えなかったことがよほど辛かったらしい。その数日後、伯母は入院してしまった。しかし、まだ若かった伯母は数週間で退院することができた。
<考察>
長年、母方の曽祖父が口にした『”大丈夫や”と伝えてくれ。』の意味について、私なりに考えてきたが、祖父は死ぬのが怖かったのだろう。若く、健康なものは他の人の終焉を目撃するだけだが、肉体が滅びたあと自分の魂がどのようになるのかまでは分からない。極楽浄土や地獄といったものは、実は人間の空想の産物かもしれないし、実在するかもしれない。意地悪な役人が自分の死出の旅の邪魔をするかもしれないし、無事に三途の川を渡り切れるだけの自信がないなど、心配は尽きないだろう。
曽祖父はそのようなことは杞憂であり、祖父は親しい人々が待つ極楽浄土にきちんとたどり着けるということを、父親として伝えたかったのかもしれない。
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続きはあるんですか?
沈丁花です。初心者のために短い後編をこしらえてしまい、かえって読みにくくしてしまいました。皆様に、より読みやすいと思っていただけるように、【前編】と【後編】を一緒にしました。
頑張ってください!よかったです
沈丁花です。コメントありがとうございます。とっても嬉しいです😊🌸
沈丁花です。一部脱字と誤字がありましたので、訂正しました。間違いを発見し、直すのが遅くなる、誠に申し訳ありませんでした。