床に落ちたライオンのソードを、かぎ爪の足が拾い上げ、倒れたライオンの顔のすぐ横に突き立てた。恐ろしい殺気に気付いて顔を上げたライオンが見たものは・・・体高2メートル以上はある巨大なカラスであった。
真っ黒なカラスの真っ黒な瞳がライオンの顔を覗き込む。
カラスの巨大なカギ爪の足が、ライオンの頭を丸ごとつかむ。
よく見ると、2本の足で立ち、1本の足でライオンをつかんでいる。
3本足のカラス・・・八咫烏であった。
「カー君助けに来てくれたの・・・?」ズタボロの朽屋がやっと口を開く。
「瑠子、おまえまた修行サボってるだろ。こんな雑魚1匹倒せんとはな」
「ゴメンなさいぃぃぃ、ちゃんとしますぅぅ~」と朽屋。
カギ爪から逃れることのできないライオンの顔を覗き込みながら、八咫烏が聞く。
「で、コイつらどうする?目玉えぐりだそうか? それとも頭に穴開けて中身をすすってやろうか・・・うまいかどうか味見してやるか」
「た、た、助けてくださいー!! ここから撤退しますからどうかお許しを!!」
ライオンにしろドーベルマンにしろ、あまりの実力差を肌身で感じ、ただただ八咫烏に許しを請うた。たとえ全力で戦っても八咫烏には傷一つ付けられないし、逆に3本足のカギ爪と鋭いくちばしで一瞬にしてボロ雑巾のようにズタズタにされるのがオチだった。
「そうか、じゃあ今回は大目に見てやるから、帰ったらお前らのボスに伝えろ」
「ハ、ハイ!」
「日本には八百万(やおよろず)の神がいるし、オレもいる。西洋の悪魔が、日本なめてんじゃーぞ、わかったか」
「ハ、ハイ」
ライオンの頭からカギ爪をはずして逃がす八咫烏。
「おい、それ置いていけ」ドーベルマンの持っていた子供の魂が詰まった繭だ。
「も、申し訳ございません~~~!!」走り去っていく2体の悪魔。
片方の翼を激しく羽ばたかせる八咫烏。そこから強い衝撃波が発生し、悪魔たちの置いていった永久自殺装置が一瞬にして粉砕して消し翔んだ。
そしてそこから結界が破れていく。
「瑠子、修行しろよ。そうそう助けてやんねーからな」
そう言って八咫烏も消えていった。
・・・・・・・・・・・・
ふと気が付くと、そこは旧校舎のトイレの中だった。
「わ、私たちはいったい・・・」廣神が困惑する。
夢だったと思いたいが、悪魔どもに痛めつけられたところがズキズキと傷む。
「朽屋さん、あれが朽屋家の守護神の八咫烏ですか・・・」忍足が聞く。
「そう、いつもは小さい普通のサイズで可愛いんだけどね。それより、あの繭の中の魂、解放してあげて」

























kanaです。
自分で書いてて一番楽しい、朽屋瑠子シリーズです。
今回は小学校編ということで、ロリっ子朽屋の活躍にご期待ください。
尚、今回のお話は、以前こちらに投稿させていただいた「理科室の人体模型 VS チーム悪ガキ」というお話と、「【short_10】用務員のおじさん」のお話の解決編となっています。
あと、わかる人にはわかると思うんですが、ラストの戦闘シーンは某ネットミームを参考にさせていただいてます。わかる人は吹き出しちゃうかも。
それでは、ちょっと長いですけど、お楽しみください。
kanaです。さっそくなのですが、一部修正を入れました。
というのも楔形のカッコで音や擬音を表現していた部分があったのですが、
奇々怪々さんではなぜかこの楔形カッコで囲った文字は表記されないという仕様になっており、
そこだけ文字が消えていました。
まだ見落としがあるかもしれません。もし、おかしな部分を発見した方はご報告よろしくお願いします。
一気に読んでしまいました、瑠子シリーズ大好き☆
最高〜でした♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪いつもですけどwニンニンも小学生からの知り合いだったんですね(伏線回収?)次作楽しみに待っております♪♪♪
kanaです。↑コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです。
ニンニンは瑠子の1学年上の先輩でした。ボクの中の設定上では、この後ニンニンは瑠子に「同じ中学に行こうよ」と誘うのですが、瑠子はもうK女中等部に行くことが決まっていたので、ここで一旦お別れとなりますが、瑠子は高校に入る前に組織で保護されるので、そこで再開します。
ちなみにですが、瑠子が進学するK女学園にはモデルがあり、実はボクもびっくりしたんですが、そのモデル校がネットミームになってることが判明しました。グーグルストリートビューのカメラに向かって変なカッコで映る女子生徒3人の画像知ってますか? あの生徒たちの学校がK女のモデルです。
今回もクッチャルコ面白すぎました( ;∀;)このシリーズで小説出してほしいくらいです、、!!!
kanaさんの作品が一番大好きでいつも楽しく読ませてもらってます!!これからもお体に気を付けながら最高の作品を作り続けてください( ゚Д゚)