川田さんが小学生の頃、両親と一緒に行った遊園地で体験した話である。
綺麗に角を丸めた木々で囲っている迷路。川田さんはひとりでクリアしたかったので、両親には出口で待っていてもらうことにした。
係員のお姉さんの説明を受けてから迷路に入っていく。自分の背丈の何倍にも感じられる緑の壁に何度も迷いながらあっちこっちに進む。
すると、ある角を曲がったとき、目の前に甲冑を着た男性が立っていた。
「違うよ」
と言ってきたので
「ありがと」
とお礼を伝え違う道を選んだところ、すんなりとクリアすることができた。
出口で待っていた両親、係員のお姉さんに迎えられ
「おめでとうー!こんなに早く出てこれるなんてすごいねー!」
と褒められたので
「おじさんが教えてくれたから!」
と伝えたところ、不思議そうな顔をされた。
緊急の場合を除き、迷路内に係の人が入ってくることはない。仮に入ってくる場合があったとしても、甲冑を衣装として纏うようなコンセプトの迷路ではないためありえない。
それからも何度かその遊園地の迷路に行っていたのだが、甲冑の男性を見たのはこの一度きりだそうだ。
土地が関係しているのか、はたまた違う事柄なのか。
甲冑の男性は時代が変わった今でも、自分の役割を果たそうとしているのかもしれない。
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