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呪い・祟り

鬼笑いの語り部さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

「影の追跡者」
短編 2025/02/27 14:13 884view

ある寒い秋の夜、山奥の小さな村に住む少年、翔(しょう)が友人たちと一緒に肝試しをすることになった。彼らは村の近くにある古い廃墟の屋敷を目指して、暗い森の中を進んでいた。

屋敷に到着すると、そこには不気味な雰囲気が漂っていた。友人たちは一人ずつ屋敷に入り、中を探索することになった。翔の番が来ると、彼は少し怖がりながらも屋敷の中に足を踏み入れた。

薄暗い廊下を進むと、翔は突然背後から冷たい風を感じた。振り返ると、影のような存在が彼を追いかけてくるのを見つけた。恐怖に駆られた翔は全力で逃げようとしたが、影は彼のすぐ後ろまで迫ってきた。

翔は息を切らしながら屋敷の地下室に辿り着いた。地下室には古びた鏡が一つだけ置かれており、その鏡に映る自分の姿が何かおかしいことに気づいた。鏡の中には、恐ろしい顔をした亡霊が立っていたのだ。

亡霊はゆっくりと翔に近づき、冷たい手で彼の肩を掴んだ。翔は恐怖に震えながらも、必死に鏡を叩いた。その瞬間、鏡が割れ、亡霊の姿が消えた。

翔は無事に屋敷を脱出し、友人たちと再会したが、彼の背中には冷たい手の跡が残っていた。彼はその後も、夜になると影の追跡者が現れる悪夢に悩まされ続けた。
翔は影の追跡者に悩まされ続けたが、彼はどうにかしてその恐怖から解放される方法を探し続けた。ある夜、再び悪夢に襲われた翔は、今度は夢の中で亡霊の声を聞いた。

「私の怨念を解いてくれれば、君は自由になるだろう」と亡霊は囁いた。

翔は亡霊の言葉を信じ、その方法を探し求めることを決意した。彼は村の古老に再び相談し、亡霊がかつて無念のまま死んだことを知った。古老は、亡霊の魂を解放するためには、彼が最後に残した手紙を見つけ、その内容を成就する必要があると言った。

翔は手紙を探すために、再び廃墟の屋敷に向かった。恐怖に駆られながらも、彼は地下室で古い箱を見つけ、その中に手紙が入っていることを発見した。手紙には、亡霊がかつて愛する人に宛てた未練の言葉が綴られていた。

翔は手紙を読み、その内容を成就するために、亡霊の愛する人の家を訪ねた。彼は手紙を届け、亡霊の無念を晴らすために全力を尽くした。

しかし、その夜、翔は再び悪夢に襲われた。影の追跡者は消えることなく、さらに恐ろしい姿で現れた。亡霊の怨念は想像以上に深く、翔はその力に引きずり込まれてしまった。目覚めると、彼は自分が鏡の中に閉じ込められていることに気づいた。恐怖と絶望の中で、彼は助けを求めるも、誰にも届くことはなかった。
翔は絶望の中で鏡の中に閉じ込められていた。彼は周りを見回し、奇妙な光景を目の当たりにした。鏡の中の世界は歪んでおり、現実とは異なる恐ろしい景色が広がっていた。影の追跡者は彼のすぐ後ろに立っており、冷たい笑みを浮かべていた。

「ここから出る方法を教えてくれ!」翔は叫んだが、影の追跡者はただ冷たく見下ろしていた。翔は恐怖と絶望に押しつぶされそうになりながらも、何とかして脱出する方法を探し続けた。

その時、突然別の声が聞こえた。「翔、助けに来たよ!」振り返ると、鏡の外から友人たちが彼を見つけ出し、必死に助けようとしていた。彼らは翔を鏡から解放するために、古老に教わった儀式を試みようとしていた。

しかし、影の追跡者はその動きを察知し、儀式を阻止しようと襲いかかってきた。友人たちは恐怖に震えながらも、必死に儀式を続けた。最後の瞬間、翔は友人たちに向かって叫んだ。「お願いだ!続けて!」

儀式が完了する寸前、影の追跡者は翔を掴み、鏡の中に引きずり込もうとした。翔は全力で抗い、友人たちの手を伸ばして掴んだ。しかし、影の力は強大で、翔の手が次第に離れていった。

「翔!離さないで!」友人たちは叫んだが、翔の手はついに離れ、彼は完全に鏡の中に引き込まれてしまった。鏡は割れ、その瞬間、翔の存在はこの世から消え去った。

村人たちはその後も翔の行方を捜したが、彼の姿はどこにも見当たらなかった。廃墟の屋敷には不気味な静寂が漂い、影の追跡者の怨念は今もなお、その場所に残っているという

「あれこんなとこに鏡なんてあったけ?」

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