もし速い車に追いつかれても、避けるような場所はなかなか見つけられそうにない。
そうしているうちに、何かサイレンのような音が聴こえてきたが、かなり遠くにいるようで、なかなか近づいてはこない。
ルームミラーを時々覗いてはみるが、僕の車の後ろには何台もの車が連なっていて、救急車の姿は見えなかった。
そうしているうちに、また妻から電話がかかってきた。
「今××通りを走ってるんだけど、遅い車が前にいてなかなか病院に行けそうにないわ!一刻を争うのに前の車は何してるのかしら!?」
そんな話を聞きながらまたルームミラーを見ると、いつの間にか救急車が後ろにピタリと付いていた。
僕は慎重に走るあまり、救急車が近づいている事にまるで気が付かなかった。
この辺りは大小の通りが何本もあって名前を間違いやすく、ここが××通りだという事にたった今気が付いた。
僕は娘のため、より慎重に、制限速度より少し遅い速度で病院に向かって走り続けた。
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あぁ、そういうことか、、
娘◯そうとしちゃったか…
娘はいま、、、