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意味怖(意味がわかると怖い話)

志那羽岩子さんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

三十秒で決まること
短編 2026/02/17 10:04 286view

文章へたでごめんなさい。でも、これはたぶん、読まないほうがよかったやつです。

お父さんの知り合いの運転士の人の話です。二十七歳。最終便担当。

最終便は二十三時四十八分発です。これは本当です。

その夜、トンネルの手前で列車が止まりました。赤信号じゃありません。異常もありません。ブレーキが勝手に入りました。

停止時間は三十秒。

運転室にはその人と先任の岡部さん。

止まっているあいだ、岡部さんが言いました。

「来月から班長だ」

関係ない話です。

「お前、補佐」

その人は最近、辞めたいと少しだけ思っていました。まだ決めていません。ただ、考えただけです。

でも口が先に言いました。

「やめようかと思ってました」

岡部さんは言いました。

「今、決めろ」

何を、とは言いません。

三十秒。

その人は言いました。

「やります」

その瞬間、ブレーキが勝手に解除されました。

ログは正常。停止時間は三十秒ちょうど。

それから最終便が止まるたび、三十秒です。

止まっているあいだに考えたことは、固定されるそうです。

あとから「やっぱりやめる」とはならない。

方向が、一本に決まる。

その人は補佐になりました。

辞めるという考えが、頭からきれいに消えたそうです。思い出せないらしいです。思い出そうとすると、三十秒の感じがするって言っていました。

ここまで読んでいるあなたも、もう三十秒以上経っています。

さっき、一瞬でも「閉じようかな」と思いませんでしたか。

でも閉じなかった。

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