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ヒトコワ

かたまりさんによるヒトコワにまつわる怖い話の投稿です

離れてない
短編 2025/02/05 18:04 125view

俺には彼女がいる、彼女といっても
数週間前ナンパして色々あり、気があって彼女に
なった。彼女の見た目は可愛い女よりで、
普通の体型、長い茶髪、清楚系で可愛かった。
「ねぇ、今日バレンタインデーだよ」
「あー、そうだったそうだった」
これは嘘、チョコをまだかまだかと
ウズウズしていた。
「はーい!私の手作りだよ!」
「うぃ、ありがとー」
「も〜返事適当〜!」
「ごめんって、ありがとう」
やっぱリア充って最高だわ、イケメンに
生まれて良かった。そう思う。
「そろそろ夜ご飯作る?お腹すいたし」
「そーだな」
「なにがいい?」
「オムライス」
「わかった!待っててね〜」
軽いステップをするぐらい軽い足取りで
台所へと向かっていった
一応ここは彼女の家な。古いアパートだけど。
トントントン…
野菜を切る包丁の音が聞こえる。
俺は彼女に出されたお茶を飲んでる
俺、早くチョコ食いたかったんだよ
だからもうチョコの箱開けて食べようとした
茶色の箱に赤いリボンがグルグルと…。
どうやらリボンの結び方が下手なようだ
でも可愛いな。
「…おっ、うまそーじゃん」
中には4個の手作りチョコ。全部♡型
パクッ…  グジュ…。
「………??……???」

正直クソまずい、え?なにこれ
いつもの料理は美味いのに…なんかミスったんかな
「…う、うっ!おぇぇぇっ!!」
俺は吐いた、ひでー奴って思うだろ?
でもちげーんだよ、可笑しいんだよ
外のチョコは普通なんだけど
中の変な液体?がすげーまずい
何だ…生臭い、なんて言えばいいんだろ
鉄交じりなションベンみたいな味
中をよく見ると赤いジャム?っつーか、
赤い液体…?吐きそうだ、いやもう吐いたけど
俺は戸惑いと怒りが湧いた
「おい!!A子!!!」
「…」
「おい!なあって!聞こえてんのか?!」
トントントン…
「ちっ!いつまで野菜切ってんだよ!!
なぁ!!!」
俺は思いっきり彼女(A子)の肩を引いた
俺は驚愕する。
トントントン…
「お、おい…!な、なんだよ…、それ!」
A子が切っていたのは野菜じゃない
生理用ナプキンだ、それも血がついた…。
「ゆーくん、大好きだよ、ダーイスキ」
ゆーくん(俺)
俺は後退りした、だってこの時点でヤベェのに
A子はギラギラした目、剥き出しの歯
何もできない俺の上に乗っかって、
あいつは俺に掴みかかった
「ゆーくん!!!!ゆーくんダイスキ!!
ねぇ…!?ワタシノコトも好き?好きでしょ!?
ゆーくん!私以外の事見ないでよ!!
ドウシテミルの?!」

「え…あぁ…?ぇ…う…」
声の出ない俺、いや、声が出せない
体も力が入らない、なんでだ
あいつはチョコの箱を乱暴に取ると
残ったチョコ全てを俺の口に入れた
「タベテ!タベテタベテタベテタベテ!!!!
ウレシイ?ウレシイね!!好きだよー!!」
あいつの目は焦点が合ってなかった。
そのままあいつは包丁を取り出した
死を覚悟する…。だが刺されたのは俺じゃない
でも、俺の顔には血が滴ってきた
「エへへヘヘッヘヘッ、アハ、アハハははは!」
あいつは自分の腕を傷付けて、
俺の口に入るように血をかけたのだ
口、鼻の中、目、耳、全部に入るように。
「ゆーくんダァぁぁいすき…
私たち来世も相思相愛ダッタモンネ」
俺は意地汚く大暴れした
ほぼ力なんて入らなかったが死ぬ気で暴れた
「ぎゃ!!!!」
鈍い音とともにA子を蹴っ飛ばした
俺はフルダッシュで外に出て交番に行った
その後暴れ、何で、何で!?と叫ぶあいつを
尻目に俺は救急車に運ばれた。
目が覚めるのは数日後、どうやら
あいつは捕まったらしい。今までも
付き合った男性に対してこのようなことを
していたらしい。中には…死んだ人も。
でも俺はもう大丈夫だ、だってあいつは
捕まったんだ。もう大丈夫
家も引っ越しして忘れようと努力した。
あの日から数週間後、俺の家に手紙が来た
差出人は「家族」と書かれていた。
「なんだ?母さんからか?
変な書き方だな」
俺は背筋が凍った。だって手紙には…。

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