支那からのアンティーク電話
投稿者:ねこじろう (157)
長編
2025/02/04
06:14
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俺は腕組みして懸命に思いだそうとした。
そしてどうにかこうにか、ある名前を捻り出す。
「キ、、、ヨ?」
「キヨ?」
父が聞き返した。
「そう、確か、あんたキヨね?と言ってたと思うけど」
「そんな、、、そんなことが、、、」
父は信じられないというような顔で呟く。
「キヨって誰?」
父は俺の顔を改めて見ながら言った。
「父ちゃんの母ちゃん。つまりお前のばあちゃんばい」
「でもばあちゃんは、僕が生まれる前には亡くなってたんでしょ?」
父は黙って頷くと、頭を抱えて座卓に突っ伏した。
じいちゃんの捜索は、警察や地元の消防団とか数十人で行われた。
それは約一月行われ、ようやく見つかる。
じいちゃんはばあちゃんと同じように裏山の林の中で亡くなっていた。
木の袂に寄りかかるようにして座った状態だったようだ。
電話は再び桐の箱に入れられ厳重に封印されてから、納屋の奥に戻されたという。
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