支那からのアンティーク電話
投稿者:ねこじろう (157)
薄暗い和室の天井を眺めながら考えていた。
━確かに洋子が買ってきた電話はあれとよく似ている。
でももしかしたらあれではないかもしれない、、
そうだ、そうだよな、、
こんな偶然とかあり得ないよな、、
ただ、もしかしたら、、
俺は一回大きなため息をつくと、過去にあった忌まわしい出来事のことを思い返し始めた。
それは平成の始め頃の、まだ小学生の時のことだ。
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うちは家族で農業を営んでいて、家は九州北部山あいの一軒家だった。
家族構成は、父母、祖父、俺、弟の四人。
父母は仕事でほとんど外に出掛けていて、日中家には俺か弟、もしくはじいちゃんがいた。
じいちゃんは当時81歳でかなりボケが進んでおり、一緒に家にいる時も気にかけていないといけないような状態だったな。
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あれは確か小学校最後の冬休みのある日のことだったと思う。
その日は年末恒例の大掃除で、家族は各々決めた場所を掃除していたんだ。
俺と三歳下の弟が仏間の畳に雑巾がけしていると、「面白かもんば、見つけたとよ」と何かニヤつきながらじいちゃんが入ってくる。
両手に何か大きなものを抱えていて、それを座卓の上に置いた。
俺と弟も何だ何だとワクワクしながら傍らに立つ。
見るとそれは古い木箱だった。
しかも荒縄でものものしくグルグル巻きされていて、箱の表面には難しい漢字の書かれた和紙が貼られている。
「これ、何が入ってるの?」
と尋ねる弟の言葉にも全く反応することなく、じいちゃんは荒縄をほどきだす。
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