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呪い・祟り

鰯屋さんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

ケ=ターミナル
短編 2025/01/24 03:31 1,147view
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皆様は道祖神という神様をご存知だろうか?
集落の出入り口付近で、そこに近づこうとする悪いモノを遮断してくれるという大変にありがたい神様であり、その信仰や起源に関する説は膨大な数であるという。
今回は、そんな様々な信仰が入り混じる道祖神について、一部でとある話がまことしやかに囁かれているのでこれをご紹介したい。

この話は私の同級生で、現在は神職を務める桑田氏(仮名)に聞いたものである。

時は久方ぶりに桑田氏と会う機会があり、記念に居酒屋へと向かった時であった。
話の中で私は桑田氏に神職ならではのオカルト話をリクエストし、氏はしばらく悩んだ後にゆっくりと切り出した。

桑田氏曰く、「中学で習ったエネルギー保存の法則ってあったろ?アレと同じのが「気」にもあるんだよ」とのこと。
「気?」と、オウム返しに聞いた私に桑田氏は詳細を語り始めた。

内容を要約すると、「道祖神や結界で弾き出されたモノ達は、消えるわけでも減るわけでも無く彷徨い続け、やがて本当に加護の及ばない場所に澱んで溜まるようになる」そうだ。

そうなればそこは一級品の禁足地、閑古鳥も鳴かないこの世の暗渠へと変じるらしい。
実際、利用できる土地があるにも関わらず不自然に集落が作られていなかったり、著名な妖魔伝説が残っていたりする地は、大抵膿み切った瘴気に満ちているという。

ところで問題となるのが、この穢れと不幸の終着点が祠の移設や取り壊し等によって移動し、人里近くに陣取ってしまった場合である。
会話の中で桑田氏が、直近50年の間に移動したとみられる終着点を幾つか挙げていたが、うち2つは記憶に新しい凄惨な事故・事件の現場となっていた。(中傷に繋がりかねないため、具体的な場所の言及は避けることとする。)

私は率直に「動かすことはできないのか?」と尋ねたが、規模が大きいことに加えて現代日本では加護のラインが切り刻まれているため困難である。
加えて、いつ牙を剥くかわからないそれに手を出し、予想外の被害を出すリスクなど誰も背負いたがらない…それが桑田氏含む神職大方の見解らしい。

酒の席での話であり、どこまで信用できた発言かは正直なところ判断し難い。
だが、その話を聞いてから3年は経ったというのに、私はニュース番組の地名ばかりを気にする癖から未だ抜け出せていない。

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コメント(3)
  • 題名の意味がよく分からないのですがどの様に解釈したらよろしいでしょうか

    2025/01/24/16:41
  • 物の怪(モノノケ)のケ=ターミナル(終着点)
    ってことですかね?

    2025/02/02/14:54
  • タイトルが意味不明。かっこいいけど、せめて本文中でそれに触れるべきでしょ。

    2025/02/10/12:39

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