何だろう?と良輔はバルコニーへと走る。
バルコニーの突端に置かれた飼育ケースの前で良太が中腰で立っていた。
「どうした?」と背後から良輔が声をかける。
息子の前には大きな飼育ケースがあり、その中を数十のゴキブリたちがチョロチョロ世話しなく動き回っていた。
すると薄い手袋をはめた良太は右手のひらを良輔の眼前に差し出す。
そこには数匹の奇妙な生き物がいた。
一見するとそれらはゴキブリなのだが足が一本もなく、まるで芋虫のようにくねくねと窮屈そうに茶色い体躯を動かしている。
「え、どうしてこんな?、、、」
良輔は息子に問うたが、ただ黙って下を向き首を左右に振るだけだ。
良治も呼んで尋ねたが、知らねえよと一言。
昨日まで普通に6本あったゴキブリの足が無くなっているというのは、どう考えても誰かの悪質ないたずらとしか考えられない。
でもわざわざ人の家に侵入して、飼育ケースに入ったゴキブリの足をちぎるような人間がいるだろうか?
いるとしたら、そいつはかなりの異常者だろう。
深夜他人の家の庭に不法侵入し、バルコニーにある飼育ケースに手を突っ込み、ゴキブリの足を一本一本ちぎる者の姿を想像した良輔は、ちょっとゾッとした。
結局飼育ケースは良太の部屋に移動された。
※※※※※※※※※※
翌朝、良輔が玄関口で靴を履いていると背後に愛美がいつものあの笑顔で立ち、口を開いた。
「早く帰ってきてね。今日もあなたの大好きな天ぷらだから」
愛美の言葉に良輔は分かったと答えようとしたが、今日は女のアパートに立ち寄る約束をしていたことを思い出すと、
「ごめん、今日は仕事で帰るの遅くなるんだ」と言った。
すると
「早くかかか-かーかか帰ってきてね。
きききーきーーきーー、、、」
























ねこじろうさん大好き
ひぇ〜
いつも通りゾワっとする話でした!
あの天ぷらはゴk…
イヤァァァァァァァ!!
皆さん、様々なコメントありがとうございます
創作の励みになります
━ねこじろう
何かに取り憑かれとったね愛美も女も
それにしてもgoキ◯リ食べるなんてよく気付けなかったな・・・
まあ、この天ぷら何?ぐらいで何かには感づいたけどね・・・
コメントありがとうございます
ゴキブリの足ですからね。
気付かないかも
━ねこじろう