有料テレビ
投稿者:ねこじろう (153)
長編
2025/01/01
05:55
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右肩を叩いている主人のすぐ後ろに、真っ黒いボンヤリした人型の影が数体立っていた。
主人の真後ろの一人が、彼の首を両手で掴んでいるように見える。
その光景が信じられなかった俺は一度きつく目を閉じ、再び開く。
その時には影の姿はなかった。
俺は恐ろしくなり、急いで部屋に戻る。
※※※※※※※※※※
そして惨劇は3日めのイベント最終日深夜に起こった。
その日の商売を無事に終えてから旅館に戻った俺はまず風呂に入り、部屋でまた弁当をツマミにして焼酎を飲んでいた。
そしてテレビのニュースをぼんやり眺めている時だ。
突然パチンという音とともに部屋が真っ暗になった。
テレビも電源が切れているようだ。
━え?停電かよ
と暗闇の中座ったまま動けずにいると数秒の後周囲は明るくなった。
テレビもまた復帰する。
ホッと一息つき何気に辺りを見回した途端、ゾクリと背筋が凍った。
部屋の片隅に全裸で血まみれの女が立っている。
次の瞬間、またパチンという音とともに辺りは暗闇に包まれた。
わけが分からずその場で固まっていると、すぐにまた辺りは明るくなる。
その時には女は消えていた。
※※※※※※※※※※
その晩、俺は寝付きが悪かった。
薄暗い天井を眺めながら右に左に寝返りをうち、どれくらいが経ったくらいだろう。
パァン!!
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