こっくりさんの恩恵
投稿者:さよなら新人類 (3)
長編
2024/12/06
18:58
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俺は絶句してしまった。別の場所にいて知らなかったとはいえ、そんなことがあったなんて。とても言葉にならなかった。
「そんなことが……。なんか、ごめんな。変なこと思い出させて」
「まあそれは仕方ないさ。……それでさ、ここから先は俺が思いついたことなんだけど、ちょっと聞いてくれるか?」
「なに?」
川上は、笑うなよ、と低くつぶやき、煙草をもみ消しながら話を続けた。
「天野のホームページが流行る前、みんなでこっくりさんをやったのを覚えているか?」
「やったやった。あのとき、明らかに天野が『はい』の方にコインを動かしていたよな」
「そうだったかもな。でも、それはどうでもいいんだ」
「……というと?」
「こっくりさんって、確か狐の霊だよな? 狐って、一応イヌ科じゃん?」
「……」
「あいつの家で飼われた犬たちって、ひょっとしたらこっくりさんの霊かなにかが乗り移ってたんじゃないか? そして最終的にあいつを殺すために、わざと飼われてたんじゃないのかな……」
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川上も、家族も、みんな家で死んでいた。のところ川上じゃなくて天野じゃないですか
さよなら新人類です。ご指摘、ありがとうございました。
訂正いたしました。