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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

「で…け ば…た」
長編 2024/10/09 15:20 2,661view

彼女は私の顔を上目遣いでチラリと見た後軽くため息をつくと、続けた。

※※※※※※※※※※

「そのおかしな異変に気付いたのは彼の家に同居しだし新婚生活が始まり、しばらくしてからだったの。

初めは単なる気のせいくらいにしか思わなかった。

だってほら私ってどちらかというと、あっち系に敏感な方じゃない。

例えば学が朝仕事にでた後一通り家事を終えリビングのテーブルでテレビとかを見てる時とかの一瞬の間に、ゾクリと気配を感じることがあったんだ。

恐々振り返っても、開け放たれた襖の向こうにはガランとした畳の間があるだけでね。 

それとかあと一人でリビングと和室に掃除機をかけてから和室の片隅にある小さな仏壇を拭いていると、頭上から変な物音が聞こえてきたこととかもあったんだ」

「変な物音?」

「うん。

最初はごそごそという何かが動く音。

それと何と言うかさあ、何かをカリカリと引っ掻くような音」

「ネズミでもいたんじゃない?」

私が軽く茶々を入れると彼女は険しい顔のままでゆっくり首を横に振ると続ける。

「初めは私もそんな風に思ってたんだ。

でも何度めか同じように音が鳴った時じっと耳を澄ましていると、音に混じって女の人のボソボソという呟きみたいのがするのが聞こえるの」

「どんな?」

私の問いに愛美はしばらく右上に目をやった後、答える。

「ホント切れ切れにしか聞こえなかったんだけど、
『ば…た』とか『で…け』とか」

「ば、た?
で、け?
何だろう、どこかの方言かな?」

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コメント(3)
  • 毎回、楽しみにしてます。

    2024/10/09/21:40
  • コメントありがとうございます。
    ━ねこじろう

    2024/10/10/14:33
  • 面白かったです。 次回も楽しみに待ってます。

    2024/10/10/18:50

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