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呪い・祟り

ねこじろうさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

「で…け ば…た」
長編 2024/10/09 15:20 2,664view

そう言った私の顔を彼女は見てから静かに首を横に振ると続けた。

「でねその時ふと私、傍らにある仏壇の遺影に目をやったんだ。

そしてゾクリとしたんだ」

「どうしたの?」

「気のせいかもしれないけどいつもだったら紫に染めた髪を一つにまとめ上品に微笑む着物姿の義母が、その時何故だかすごく怖い顔で睨んでいるように見えたんだ」

「それは怖いね」

私の言葉に愛実は大きく頷き、さらに続ける。

「うん。

だから私、それとなくそのことを学に打ち明けたんだ。

でも彼仕事が忙しかったということもあって、真面目に話を聞いてくれなかった。

それからも、おかしなことは続いたんだ。

例えばリビングのソファーに彼と二人座り、他愛もない話で盛り上がった後の一瞬の間とか、

食卓で一緒に食事をしながらする会話の僅かな間とか、

台所で二人分の夕食を作っている時のちょっとした間とか、

そんな様々な状況で何者かの気配や視線らしきものを感じた。

たまに、あの奇妙な音や、それまでぶつぶつと何か呟くような声も、、、」

※※※※※※※※※※

「そして、とうとうその日は来たの。

それは前月初めのことだった。

学と一緒に夕飯を終えお風呂に入った後、畳の間に敷いた布団に横になった。

夜中にトイレに行く便宜から電気は完全には消さず、いつもオレンジの豆電球だけは仄かに灯していたんだ。

3/8
コメント(3)
  • 毎回、楽しみにしてます。

    2024/10/09/21:40
  • コメントありがとうございます。
    ━ねこじろう

    2024/10/10/14:33
  • 面白かったです。 次回も楽しみに待ってます。

    2024/10/10/18:50

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