奇々怪々 お知らせ

呪い・祟り

栗饅頭の開きさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

友人のじいちゃん
短編 2024/09/04 14:32 642view
1

私が中学2年生のころ、友人の加藤が部活中に骨折してしばらくの間松葉杖生活になってしまいました。当時いじめを受けていた私にとって加藤は数少ない大切な友人だったので、荷物を持って一緒に登下校していました。その中で加藤のじいちゃん(以下加藤祖父)に気に入られたらしく、彼の家に行く度に「いつもありがとうなぁ」とお菓子や飲み物を出してくれました。彼は誰かと話すのと心太が大好きなお茶目な人で、行く度に色々な話をしてくれて飽きませんでした。
ある日いつも通り加藤の荷物を持って彼の家まで行くと加藤祖父が出迎えてくれたのですが、私を見た瞬間血相を変えて
「○○(私の名前)君!今すぐこっちに来なさい!」と私の腕を引っぱり二階へと連れて行きました。
訳が分からないまま私が「どうしたんですか?」と尋ねかけたところでいきなりミカンのような匂いのする水と白い粉、多分塩?を頭からぶっかけられ、さらに困惑しました。そんな私に加藤祖父は「どこでこんなものをもらってきた」や「最近変な場所に入ってないか」とすごい勢いで聞いてきましたが、小学生の頃の体験とその他諸々の体験で心霊スポットというものに懲りていた私は正直にどこにも行ってないし心当たりもないという旨を話しました。すると彼は少し考えこんで私にカバンの中身を全部出すように言ってきました。私は不審に思いましたがあんなに優しかった加藤祖父が言うのだからと考え全て出していきました。教科書、ノート、クリアファイル、ペンケース……と出していくと、私の物ではないお守りのようなものが出てきました。加藤祖父は「それだ!」と叫びそれを私から奪い取ると先程のミカン水を注いだコップに入れました。すると水が少し白く濁りやがて元の無色透明に戻りました。その様子を見届けてから彼は私に教えてくれました。曰く、あのお守りのようなものは呪物のようなもので、対象を殺すほどの力は無いがそれそのものが中心となって別の良くないものを引き寄せるのだそう。作り方も材料も特別なものではなく安易に誰でも作れる反面、何らかの手段で浄化されると呪物を作った本人に引き寄せられたものが降りかかる、と。
私は誰が呪いをかけたのかが気になり聞いてみたのですがそこまでは分からないらしく、ただ近い内にいきなり不幸に見舞われる人がいるだろうとのことでした。

ちなみにミカン臭のする水は加藤祖父特製の聖水と言っていましたが真偽は不明です。

1/1
コメント(1)
  • 誰が不幸に見舞われたのか、知りたかったです

    2024/09/04/18:25

※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。

怖い話の人気キーワード

奇々怪々に投稿された怖い話の中から、特定のキーワードにまつわる怖い話をご覧いただけます。

気になるキーワードを探してお気に入りの怖い話を見つけてみてください。