14号室:ライン
投稿者:うずまき (21)
短編
2024/07/22
15:31
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茫然自失のサオリを前に、ゴソゴソとポケットから何かを取り出した。
長い糸が付いた裁縫針だった。
機械的に彼氏はその針を自らの「肉塊」と化した頬に突き刺し口から引き出した。
ずるずるずる。
白かった糸は、彼の血で真っ赤に染まっていた。
「赤い糸だよォ、運命の赤い糸ォ。」
血が滲む不揃いの歯を剥き出してニタァッと笑った。
そこにあの頃の面影は皆無だった。
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