スイカの種

あれは真夏のある日、友達とバーベキューしてたんだよ。スイカ割りして、その後みんなでスイカ食ってたら、気が緩んでスイカの種飲み込んじまった。

「大丈夫だってｗお腹の中でスイカ育つわけないしｗ」と友達が笑いながら言ってたんだ。

でも、その夜から体に異変が起きたんだ。めっちゃ腹痛が襲ってきて、なんか内側から突き破ろうとしてる感じ。

次の日さらに痛みがひどくなって、病院行くことにした。医者に話しても笑うだけで、簡単な検査して帰されちまった。でも痛みは収まらないし、数日後には体重が急激に増えて、腹が異様に膨らんできたんだよ。なんか中で育ってる感じ。

怖くなってまた病院に駆け込んだ。今度は詳しい検査を受けることになったんだけど、結果が出るまで地獄みたいだった。

検査結果出たら、医者の顔色が変わってさ。「これを見てください」ってX線写真見せられたんだ。そしたら腹の中に植物っぽい影が映ってた。「こんなことはあり得ない」って医者が呟いてたけど、現実に俺の腹の中で何かが育ってた。

専門家のチームが急遽集められて、体内から異物を取り除く手術することになったんだ。手術室に入ると、医師たちが真剣な顔つきで俺を見下ろしてた。「大丈夫だ、君を助ける」って言われたけど、心は恐怖でいっぱいだった。

麻酔が効いて意識が薄れていく中、俺は自分の体内で何が育っているのかを考え続けてた。

目が覚めた時、俺は病室のベッドに横たわってた。腹部には包帯が巻かれてて、痛みは消えてた。医者が傍らに立って、真剣な表情で説明し始めた。

「君の腹の中でスイカの種が発芽していたんだ。異常な環境が影響したのか、我々にも原因はわからない。だが、無事に取り除いたよ」

その後、数日間の入院を経て退院したけど、その経験は俺に深いトラウマを残した。スイカ見るたびにあの日の恐怖が蘇る。夏のスイカ割りの楽しい思い出は、一転して悪夢と化した。

この奇妙な出来事は医学的にも科学的にも非常に稀なケースで、以下の条件が揃った時にのみ体内でスイカの種が発芽する可能性があるらしい。

まず、種が発芽するためには適切な温度と湿度が必要。人体の内部は37度前後の恒温が保たれてて、これが発芽に理想的な温度。消化器官内の湿度も高く、種にとって発芽しやすい環境を提供してる。

次に、消化器官内の酸性度の変化も重要。通常、胃は強酸性だけど、何らかの理由で胃酸の分泌が抑制され酸性度が低下すると、種が消化されずに残る。この状況下で種が発芽する可能性がある。

さらに、種が長時間体内に留まることで発芽の機会が増える。消化器官の蠕動運動が低下して種が腸内に長く留まると、発芽の可能性が高まる。

ある医学ジャーナルによると、この稀なケースは過去に数例報告されてて、全部が特殊な体質や特定の条件下で発生したと記録されてる。発芽した植物は体内で成長を続け、腹痛や異常な膨張を引き起こす。

この奇妙な現象を防ぐために、スイカの種を飲み込まないようにすることが推奨されてる。友人の話を聞いた俺は、スイカを食べる時に種を飲み込まないよう、注意するようになった。