ずんいっつぁん
投稿者:イエティ (51)
白と黒の大きなウサギで、息子が大事に育てていた。
彼は息子の形見を大事に大事に育てたが、結局すぐに死んでしまった。
大事な家族はみな死んでしまい、彼はしばらく病んでしまった。
酒に溺れる日々で、彼はみるみる衰弱していった。
見かねた彼の姉が、息子が飼っていたウサギによく似たウサギを、彼にプレゼントした。
彼は家族のことを思い出し、ウサギたちをまるで我が子のように育てた。
繁殖させ、ウサギを増やし、愛する妻と息子の名前を付けて育てた。
やがてアパートを出て、彼は姉の家の敷地にプレハブ小屋を建てた。
ウサギ、いや、家族の為だけに生きていく事を決めた。
夜勤の仕事の合間を縫って、昼間は農家の知り合いのところに行き、クズ野菜を貰う。
俺たちが見ていた姿は、わが子の為に食糧調達する父親の姿だったのだ。
それを奪おうとするガキがいたんなら、そりゃ追いかけるだろう。
そんなある日、ある不良の中学生たちが、ずんいっつぁんの居所を突き止めた。
ゴミを投げたり、ガラスをたたいてウサギをびびらせたり。
ずんいっつぁんは怒ったが、原付バイクや自転車には追い付けない。
そしてある不良が、ずんいっつぁんのプレハブに火をつけた。
ずんいっつぁんは仕事中だった。
連絡を受け帰宅したころには、プレハブは焼け落ち、
もちろん生き残ったウサギはいなかった。
「〇〇~!!!××~!!!」
亡くなった妻と息子の名前を叫びながら、彼は一晩中泣き続けた。
程なく放火した不良たちは少年院行き。
姉がずんいっつぁんにそのことを伝えると、家族の後を追うように自殺した。
以来、ずんいっつぁんが首を吊ったその森付近で、
放火した不良に似た容姿をしている者は不自然な事故や事件に出くわしている。
よくずんいっつぁんが周辺をうろついていた小学校も今年で廃校。
お姉さんも亡くなってしまったようです。
ずんいっつぁんとその家族のご冥福をお祈りします。
秀逸
胸糞やなあ
そういうおじさんはどこの地域にでもいるものだしなんか少し懐かしい気分になった
ずんいっつあん可哀相。