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白と黒の旅人さんによるにまつわる怖い話の投稿です

伝聞・病院の奇霊達
長編 2024/05/20 16:39 1,653view

結局、その患者さんが移動介助してもらった看護師は誰かわからなかった。

3件目
色々あって別病棟に配属した時の経験

「ウチの病院、一応小児科とか色々あるんよ。最近ないところ増えてるんだけど。それでまぁ中学生ぐらいの小児科とかにかかるような歳じゃない子は普通の病棟にいたりするんよね。」

術後のせん妄などもない、トイレに行く時もせいぜい看護師の付き添いが必要といった程度。

「で、ある程度仲良くなってくると色々話してくれるんよ。退院後の不安とか。それが結構大切で退院までどうするかとか退院後どういうことしたいかがっての、早めに聞き出せると病院としても楽ではあるんよね。患者の目指すところ分かるんで」

まぁこっから本題なんだけどと付け加え、話し出した内容は

「入院中不安なことない?ってまぁざっくり言うとそーいうのを聞くんよ。そしたらその子、夜中に個室のドアを叩かれる、誰かの気配をドアの前で感じるって言うのよね。」

もちろん訪室の際のノックではなく、爪をたててピアノを弾くようにカツツッと複数の音がなるんだとか。

ストレスが原因なのかと思ったが直近に夜勤の日があったので「じゃあ、夜にまた何かあったら看護師さん呼んでね。」とその日は部屋を後にしたそう。

夜勤の日、曲がり角を曲がると奇怪なものを見たというのだ。
「なんつーか人の膝ちょっと上の大腿部と肘下辺りの腕が同じ位の高さに見えたんよ。天井スレスレの所に。で、足は普通に地面に着いてるけどめっちゃ長いし足のサイズはホント20cmぐらいなんよねそいつが片っ端からドアをカツカツ鳴らしてんの。」

「なんだアリャとか思って見てたらその部屋からナースコールなるんよ。ナースコールなると部屋の前のランプ着くんだけどそれに反応してかソイツ、前屈みたいに身体前に倒したあと、そのまま360度回転して、後屈の姿勢から普通の立ち姿になったんよ。まぁ冷静に考えなくても人間じゃないけど、なんか虫が蠢いてるみたいですんげーキモかった。」

手足が異常に長くそして巨大な存在は壁をすり抜けるようにして元の姿勢戻ったそうだ。

「どう考えてもアレ、その子の病室のなかに顔突っ込んで…というか通過してるんよ。多分見られた感覚ってそれなんじゃないかって。」

その後、ソイツが歩き去ってからその子の病室に入ったそうだ。
「あの子には悪ぃけどよ、さすがにアレの前突っ込んで病室の中入るってのは無理だった。今でもその病棟で働いてるけどできるだけ音が聞こえたら反対側に行くようにしてる。ナースステーションにいる時は見ないようにしてるね。」

結局その子は何事もなく退院となったものの、今でも怪奇現象は起こっているのだそう。

「1回顔見ちまってな…顔の半分くらいが口みたいな半月型の穴で残りの4割くらいが黒目だったのよ。他の看護師の先輩や医者も患者も見てないって言うから気にしないことにしてるけどホントに勤める病院変えようかと思ってる。」

今現在に至るまでも、その巨大な存在は自分以外に認識できていないと思うと同級生は言っていた。

今回のお話はここまで。
私が病院で経験した(前回の病院の奇霊達のこと)を話したら「ソレはソレでその病院やべぇけどでもコッチのよりはマシだな…。多いのは嫌だけど。」
と言っていた。

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