事故物件の日記帳

母親の文章
『心ぱいさせて、ゴメンなさい。』

3個目の付箋
『12月5日（月）
ママが今日、会社を休んだ。
かぜみたい、心ぱいだ。』

この日、母親の文章は無し

4個目の付箋
『12月12日（月）

今日もママは会社を休んだ。
クラスの中山先生にママが心ぱいって話をした。
先生も心ぱいしてた。』

母親の文章
『心ぱいばかりさせて、ゴメンなさい。でもね、ほかの人にママがたいへんなこと、話さないでね。ママがダメな人と思われたら、愛と武はつれて行かれるのよ。もう2どとママと会えなくなるの。だからセリザワさんや先生にも、お金がないとか、ママが会社を休んだとか言わないでね。』

5個目の付箋
『12月23日（金）
今日もセリザワのおじいさんのところに行った。
いつもやさしくしてくれる。明日みんなで食べなさいってケーキをくれた。うれしくて、たくさんありがとうを言った。武も、すごくよろこんでた。もちろん、お金がないとか、明日のクリスマスケーキが食べれるかなとか、言ってないからね。』

母親の文章
『ママも、2人がよろこんでいてうれしいです。
セリザワさんには、おれいを言わなければね。』

6個目の付箋
『12月28日（水）
今日からママも会社がお休みです！
ずっといっしょで、うれしいです。
ママも、とっても元気でよかった。』

母親の文章
『ママも愛と武といっしょにいられてうれしいです。
ずっといっしよに いられたらよいのに。』