いちにち、いちみり
投稿者:太山みせる (35)
長編
2024/04/09
22:42
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「本当に……野村に手柄をあげられたら良かったんだが……」
「何だ?問題があるのか?」
「聞いてくれるか?」
野村の返事を待たずに、吉見は真剣な顔で、奇っ怪な話をし出した
※
吉見によると、色坂と暮らすようになったのは約6年前だ
反社のボスの圧力で、色坂を自首させられないまま数年が過ぎたある日、夜中に悲鳴が聞こえた
色坂の寝ている部屋からで、中に入ったら彼がひーひー言っていた
声を掛けてもブルブル震えて要領を得ない
ようやく落ち着いた頃に何があったか聞いたら、「いちにち いちみり」
と言ったという
何が?の問いには、
「いちにち、いちみり呪われる」
と答え、そのまま意識を失った
翌日になり詳しく聞くと、
色坂は夢で真っ暗闇の中から、子供のような、女のような声で『いちにち、いちみり』と言われたそうだ
「何だ、夢か!」
と笑った吉見に色坂は、
「ただの夢じゃねえよ、俺は『いちにち いちみり』の呪いをかけられた」
と激しく動揺していたという
1日何かが1ミリどうするのだ?と聞いても分からないらしい
そしてその日から、色坂は大層落ち込み出した
そこまで聞いた野村は、
「映画のリングみたいに貞子みたいなのが、毎日
1ミリずつ這ってくるとか?」
と口を挟んだ
「……それなら近くに来る前に何とか対処できるだろうな。最悪、逃げちゃえば良いんだし」
「ならば、何なのだ?」
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ひきこまれた。
引き込まれました。
10ページもあったかと思うほどあっという間に読んでしまいました!怖かったです!
面白かった。展開がハラハラする。
すごかった。
投票はしましたが怖かったより面白かった、「せめて1m〜」のくだりで不覚にも笑っちゃいました。
吉見さんに幸あれ!