安河内が靴を脱ぎ廊下に上がるとRinRinさんも続いた。
そして廊下沿いの部屋の一つ一つを安河内が説明を始める。
RinRinさんは彼の背後から興味深げに聞いていた。
最後に一番奥にある広いリビングの説明が終わったところで安河内はRinRinさんに「こんな感じですが、いかがでしょう?」と尋ねる。
RinRinさんは「素晴らしいパーフェクトよ!」と笑顔で答えた。
すると安河内は「ありがとうございます。じゃあ事務所に戻って契約の方を」と言うとさっさと玄関の方へ歩き出す。
そして彼が靴を履き始めた時だ。
背後から素っ頓狂なRinRinさんの声がする。
「ねえ二階は?」
一瞬安河内の動きが止まった。
そして彼がゆっくり振り返り怯えた顔で廊下に立つRinRinさんの顔を見て、
「いや、あの、、さきほども事務所でご説明しました通り二階は、、」としどろもどろに答えているとRinRinさんがぴしゃりと言う。
「分かってるわよ二階に誰かいるんでしょ。
でも最初だけは一応間取りだけでも見ときたいわ。
それとその方とも出来れば会っておきたいし、、
まあ実際に生活しだしたら、もちろん契約通り上には上がらないから」
※※※※※※※※※※
その後しばらく二人は互いにその場で睨み合っていたが、やがて根負けした安河内が「分かりました。最初だけですよ」と念を押すように言うと再び靴を脱ぎ廊下に上がった。
階段は玄関上がって右手のところにある。
二人はその上り口の前に立った。


























生きている人間が怖い。
おっしゃる通りですね
─ねこじろう