海から来たもの
投稿者:篠月夜々 (2)
短編
2024/04/03
19:25
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(離れろ、離れろ、離れろ、離れろ)
と唱えながら、学校までペダルをがむしゃらにこぎ続けました。
そして、ようやく校門まで差し掛かった頃。
とにかく、私は心の中で「離れろ」と唱えながら無我夢中でペダルをこいでいたため…校門に立っていた先生の姿にも友達にも目もくれず、そのまますごい勢いで校門の中に突入すると、自転車ごとズッコケました。
その後すぐに校門にいた先生達と中学の頃から仲が良かった友達が駆けつけてくれて
「大丈夫か?」
「あんたすごい勢いで入ってきたけど大丈夫?怪我ない?」
と介抱されて立ち上がりましたが、不思議とその後にはすっかり女性の姿が消えていました。
そしてその後も、何の問題もなく学校生活を終えることができました。
あの女性は一体何だったのか。
けれど…そんな思いをして1週間ほど経った頃、ふと思い出しました。
その体験をする前日、偶然家族で海の近くをドライブしていたことがあったのです。
もしかするとその時に、あの女性と何かしら共鳴してしまったのかもしれません。
今もたまに海の近くを通ったときに、15歳だったあの日のことを思い出します。
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