熱烈握手ババア
投稿者:月子 (9)
短編
2024/03/05
20:56
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配置場所によりましたが、大体2人1組で
接客していましたので、
お金のミスも互いに確認し合えて安心。
参拝者様が途切れたら、2人で手を繋いで
寒さを凌ぐ。
その日、私の隣にいたのは親友と呼べるような友人、
Yです。
大晦日の夜9時から、元旦の朝9時までの勤務でした。
順調に年が明け、少しずつ参拝者様も減ってきた
AM4時、私たち2人の前に、
また参拝者様がいらっしゃいました。
えらく腰の曲がった、年配の女性でした。
そんなに腰が曲がっていて、よくあの長い階段を
登って来られたな、と思っておりました。
彼女は、神社オリジナルの御守りを一体お受けになられ、初穂料をいただき、
私が袋に入れた御守りを差し出したところ、
御守りを持つ私の手全体を包み込むようにして
握られました。
ギョッとする私とY。
しかし彼女はなんにも気にしていない様子で、
ずいっと私に顔を近づけてきました。
「あんた、かわいいねぇ」
突然のお褒めの言葉に、私はデレデレしてしまいました。
『ありがとうございます』
デレデレと笑う私を見つめるYの視線が
わりと痛かったような気がしております。
…まだ手を握られています。
後ろにまだ参拝者様もいらっしゃるのに、まだ。
お褒めくださったのは嬉しかったのですが、
この話は怖かったですか?
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月子さんは本当に文章が美しいですねぇ
誰だったのでしょうか。
ゾッとしました。
( ゚д゚)。