私って見えないはずよね
投稿者:月子 (9)
短編
2023/01/31
18:20
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これは私が小学生だった頃の話です。
私の祖父は大工をしており、年に1度、祖父が
働いている会社では日々の疲れを労るための旅行
がありました。
それに祖父母と参加するのが、1年でいちばん楽し
みでした。
ある年の行き先は広島でした。
2泊3日の旅行の最初の日は、
原爆ドームとその周辺を見て回ることになっていました。
当時の私は小学校高学年でしたから、
そこで何があったのかは学んでいましたし、
資料館も見学するようだったので、
しっかり見ておこうと思ってましたね。
優等生のいい子でしたから。
(優等生なのは嘘です)
それから、原爆ドームの横に川がありましてね、
土手が続いている横の方を、祖母と手を繋いで歩いていました。
ぽてぽて歩いていたら、土手の斜めのところで
ばったりと倒れている人をみつけたんですよ。
薄汚れた、古そうな服だったと思います。
暑い夏の日、昼間に倒れているのだから熱中症で倒れてしまっているのではと心配しました。
ホームレスの人なんだと、なんとなく察しました。
周りの人たちは誰1人助けに向かいませんでした。
気づいていないわけがないと思いました。
その人のすぐ近く、真横を歩く人も、
その人の方向を向いて会話している人だっていましたから。
倒れている人がいるのに、一体大人は何をしているの!?
と怒り心頭でしたが、私1人ではきっとどうすることもできないでしょう。
だから祖母の手を強く引いて、
この話は怖かったですか?
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慎んでご冥福をお祈りします。そして二度とあの様な惨事が起こりませぬ様祈るばかりです。
えぇそうですね、2度と核の脅威に怯えなくても良い世界になる事を祈らなくては…
ご冥福お祈りします
私も今度行ったらちゃんともっと良い世界になるように祈ります