熱烈握手ババア
投稿者:月子 (9)
短編
2024/03/05
20:56
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さすがに困ります。
手を離していただこうと声をかけても、
彼女は黙って笑うばかり。
次第に焦り始めた私を見かねたYが、
私の片腕をグッと強めに引いてくれました。
少し痛みを感じるくらいの力で引っ張られたのに、
私の手はまだ握られたまま。
いよいよ私もYも怖くなってきて、
本職の巫女さんを呼ぼうとした、丁度そのとき。
「△△△ちゃんは、元気?」
女性の口から放たれた言葉に、
たった今声を上げようとした喉がひりつくのを感じました。
【△△△】というのは、私の妹の名前です。
女性は、私の家族でも、親戚でもありません。
知っているはずがないのです、私の妹の名前なんて!
何故妹の名前を知っているのか、
あなたは誰なのか、
それを問おうとしたときには私の手は離されており、
女性はどこにもおりませんでした。
あまりの恐怖に、隣にいるYの腕をぎゅっと掴みました。
『今の何』
「知らん、でもやばいんちゃん。
今の人、知り合いじゃないやろ。
なんであの子の名前知っとん」
そんなんこっちも知らん😭怖い😭
…と、大泣きして縋りつきたい気持ちを抑え、
なんとか12時間にも及ぶ長い長い勤務を終え、
家に帰りました。
祖母や叔母、母に、
今日こんな人が来てこんなことがあって、と
この話は怖かったですか?
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月子さんは本当に文章が美しいですねぇ
誰だったのでしょうか。
ゾッとしました。
( ゚д゚)。