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妖怪・風習・伝奇

kanaさんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

理科室の人体模型 vs チーム悪ガキ
長編 2024/02/01 07:00 8,313view
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小学生の頃、放課後の河川敷で遊んでいる時に、友達と怖い話で盛り上がったことがある。

「理科室に飾ってある人形は、夜になると生き返って学校の中を走り回ってるんだって」

ガリ「こわー!」
ぐっち「ホントかよ!」
おっさん「う、う、うっそだぁ!」

「じゃあ今夜、学校に忍び込んで見てみようぜ」・・・そんな話になった。

・・・・・・

学校の玄関は鍵がかかっていて入れない。
だがボクたちは経験上、体育館横の資材搬入口が常に開いているのを知っていた。
当時はまだ今ほど学校の警備が厳しくない時代である。

学校どころか普通の民家でも鍵なんかかけない時代でもあった。

深夜0時。一度は寝たと見せかけて布団から抜け出し、学校のグラウンドに集まった。
思った通り体育館横の扉は開いていた。こっそり静かに忍び込む。
夜の学校は昼間とは打って変わって想像以上に真っ暗で、シーンとして、恐ろしい雰囲気に包まれている。窓から入る街灯の灯りと、緑色の非常灯の光、消防を呼ぶ非常ボタンの赤いランプだけが頼りだ。

「みんな、上履き持って来たな?」

ガリ「もちろん、外履きのまんま入ったら怒られるからね」

おっさん「お、お、おれ、外履きしか持ってない」

ぐっち「おっさん~~、まぁおっさんは仕方ないか」

ガリ「おっさんは仕方ないよ、おっさんなんだから(笑)」

おっさん「・・・で、でへへ(^^ゞ」

まぁいいだろうってことで、おっさん以外は上履きに履き替えてから、体育館に入り、通路を通って校舎へ向かう。まっすぐ行って階段を上る。例の人体模型は二階の理科室にある。

真っ暗闇の廊下を声をひそめ、ヒタヒタと理科室へ向かう4人。
懐中電灯でもあれば・・・そんなことを言っても後の祭りである。

理科室が見えてきた。
そ~っと引き戸を開けてなかを覗き込む。
窓から街灯の明かりが差し込んでいるので、幾分よく見える。

ガリ「あの人形はどこ?怖いよ」

ぐっち「前の方だよ」

おっさん「い、い、いないよ(*_*;」

確かに人体模型がいない。もしかしたら片付けられたか?

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コメント(3)
  • なかなか良作
    面白かった

    2024/03/19/12:45
  • 思い切った、振り切った作品だね
    怪談ながらも、少年たちによる見捨てた友のための怪物への復讐劇、少年たちが知恵を絞り怪物を倒す冒険劇、である。
    少年漫画的な爽快感がある。

    2024/03/31/17:04
  • 面白かったです!見事に騙されました。おっさんいい人だったなぁ。
    学校の七不思議を解決(破壊?)していく冒険活劇も期待できますね!

    2024/04/08/21:45

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