変なきりんさん
投稿者:ねこじろう (156)
長編
2024/01/18
18:04
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などと思いながら私もまた登り始めたんです。
それからも何度となく愛花里と一緒に買い物に行くんですが、その都度同じ場所で同じことを言ってました」
※※※※※※※※※※
「それで私、ある夕飯時に尋ねたんです。
『愛花里ちゃんさあ、ママと一緒に買い物に行った帰り道、下の部屋の方を指差して変なきりんさんって言うじゃない。
そのきりんさんってどんな姿なの?』
言われた愛花里はしばらく上を向き首を傾げるような仕草をしていたのですが、やがて食卓テーブルを離れると、どこからか画用紙とクレヨンセットを持って戻ってきました。
それからテーブルに画用紙を置くと、口を尖らせてクレヨンで描きだしたんです。
そして描き終えると『はい、これ』と言って私に手渡してくれました。
『どれどれ』と私はその絵を見ます。
それは奇妙な生き物の絵でした。
四つ足で長い首に黄色い胴体というところは、確かにキリンのようです。
でも違いました。
というのは、その顔は人間のようで目や鼻や口があり顔の肌も肌色だったのです。
私は愛花里に尋ねました。
『ねえ、このキリンさん、愛花里ちゃんに何と言ってるの?』
『寂しいからこっちにおいでよって言ってる』
『こっちにおいで?』
『うん!』
私が尋ねると愛花里は無邪気に頷きました」
そこまで喋り大葉さんは堪えきれず俯くと、白いハンカチで目頭を押さえる。
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─ねこじろう
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コメントありがとうございます。─ねこじろう
怖かった。
最後意味分かった
コメントありがとうございます。
─ねこじろう