美しい女
投稿者:kana (216)
そんな言い訳を頭の中で考えている間も、彼女はずっと同じポージングで笑顔のままこっちをガン見してくる。・・・いったいこの状況はなんだ? 変な汗が吹き出しそうだ。
そうこうしているうちに、やっとボクの降りる駅に着いた。正直ホっとした。
ボクはスマホを読むのをやめ、彼女に視線を合わせないように気を付けながら、人をかき分け電車を降りた。
するとなんと、あの女も突然立ち上がり、人をかき分け車両を降りようとしている。
一緒の駅??いや違う。彼女はボクが降りるのを見て立ち上がったのだ。
つけてきている・・・。
改札を出て商店街に入るが、少し離れて彼女がついてくる。
もうここで振り返ることはできない。が、尾行されているのは確実だ。
ヤバさを感じる。このままだと、きっと彼女は家までついてくるに違いない。
なんとも情けない話だが、生まれて初めてストーカーの怖さを知った。
それが、若い女の子が男にストーカーされるのならまだ理解できる。が、
なんでボクみたいなただのおっさんが、女性に、しかもモデル級に美しい女性にストーカーされなきゃならんのだろう? なんとも理解しがたい。
とにかくこのまままっすぐ帰るのはヤバイ気がした。
そうだ、近所の友人の家に一度寄って、やりすごそう。
そう考えて、友人にLINEした。
幸い、友人とはすぐに連絡が取れ、家に行っても良いことになった。
少し気が楽になった。善は急げ。少し速足で友人宅へ向かう。
・・・・・・
友人の住むアパートの203号室に入る。
入ってしばらくドアスコープを覗き込む。
・・・すると、やはりやってきた。しかも203号室にまっすぐ向かってくる。
そして彼女は見えるはずもないのにドアスコープを覗きこんできた。
ドア1枚越しに、ボクと彼女の顔が接近する。
慌てず、静かに、物音を立てないように後ずさりする。
ボクは友人には何も言わず、とにかくしばらくいさせてくれ、とお願いした。
「なにか飲み物でも買ってこようか?」と友人。
kanaです。あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
相変わらず何度読み返してもところどころに誤字脱字があって、
あとから修正したりしてます。
誤字脱字を見つけたらぜひコメント欄でおしらせください。
。。。10月くらいに書いた「母の生まれた謎の集落」なんて、12月に入ってから「40年」と書くところを「40」としか書いてないのを見つけて恥ずかしい思いをしました。
「40」で配信しちゃった朗読者の皆様、ごめんなさい。
ボクの作品は誤字脱字だと思ったら勝手に修正いれてオッケーです。
今年もよろしくお願いします。
怖っ