寝るまで勉強するだけなので、
むしろ集中できた環境だった。
そして夜の11時ごろに
「それじゃ、そろそろ寝よっか?」
布団を敷き、消灯。
A君も同じ部屋に寝てくれた。
「お前は自分の部屋で寝ないのかよ」と
思ったが、気を使ってくれたんだなと認識した。
「あ、そうそう」
暗い和室の唯一の光源である
裏庭の灯籠の火が障子に投影されている。
その微かな明かりを頼りにA君に視線を送った。
A君は俺に向かって
「何があっても今夜この部屋を出ないでね」
その言葉の真意は、
この時はまだ理解していなかった。
そして、時間が経つ。
俺はその夜、全く眠りにつけなかった。
ずっと障子に映された灯籠の揺れる火を目で追っていた。
A君は寝ていたのだろうか…
0時があっという間に過ぎてしまい。
睡魔が襲ってくるのを待っていた時…
カチッ
カチッ
カチッ
聞いたことある音だった。
俺はA君に視線を当てた。
カチッ
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写真に写っているのに、A君を知らないとは不思議でたまらない