到着して、すぐに食事に誘われた。
母、祖母、A君、俺の4人で。
食事中は愛想良く家族皆俺に接してくれたのだが。
A君が
「〇〇君、今日ここに泊まっていくから」
と言った時。
A君の母の態度が変わった。
魂がスッと無くなったように。
そして母は、
A君を奥の部屋に連れて行き、何か言い争っていた。
そのせいで、居心地がだいぶ悪くなった。
お邪魔かな?と思ったし
食欲もなくなってしまった。
結局のところ
泊まって良いということで、
A君と一緒に畳の部屋に案内された。
ダイニングから部屋まで、縁側を歩いた。
左手は畳の和室が並んでおり、
右手はガラス張りの引き戸から裏庭が見える。
庭には灯籠が1つ灯ってあり、
その淡い光が青く暗い裏山の林を照らす。
闇が光を吸い込むその様に、
俺の視線も吸い込まれていった。
俺はその裏山に視線を向けている時、
本能的に何かを感じ取った。
向こう側からの動物的な視線を。
と、言っても
岐阜なので野生動物ぐらいいるだろう。
案内された畳の部屋は
イメージ的にサザ●さんの家の
ナミ●イの部屋の感じだ。
畳の部屋に大きな木のテーブルだけで、
布団は2つ棚にしまってある。
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写真に写っているのに、A君を知らないとは不思議でたまらない