忌蛇千箱(イシャチバコ)
投稿者:rark (32)
このような言葉を何度も何度も、繰り返し叫んでいるんです。
僕も、ほかの乗客も、目をそらすばかり。
すると、
「タチ……ケホッ…ハー…ハー…ハー」
突然おばさんが、苦しそうにうずくまります。さすがに何人かの乗客は心配して、おばさんの方を見ているのですが、何人かは僕を見ていることに気がつきます。
「声をかけろ」ということなのでしょう。冷たいなー。なんて思いながら、僕は声をかけます。
「すみません…大じょ……」
と声をかけようとしたのですが、途中で僕は言葉を詰まらせます。おばさんの持っているカバンの中。そこに入っていたのは、大きめのサイズの蛇の死骸。しかも、蛇の頭部を見ると、目玉の部分だけが、くり抜かれているんです。
「いっ……」
思わず、1歩下がったその瞬間。おばさんがガット自分の胸ぐらにつかみかかったと思うと、鬼の形相で、
「シェシェ!!シェシェ!!シェシェ!!
チョーチョーチャーコエー!!」
僕はどうしていいか分からず、おばさんの腕を掴んで抵抗するばかり。
すると、
「まもなく〜○○(駅の名前)○○です。
お出口は左側です。開くドアにーご注意ください。」
アナウンスが流れ、電車が駅に停車します。すると突然おばさんは真顔になり、電車を降りて行きます。
(マジでなんだったんだよ……)
僕はため息を着きながら、別の空いた席へと座ります。その時の、おばさんの後に続いて、電車を出ていくおじさんの冷たい視線は、今でも忘れられない。
その日の夜。僕はある夢を見ます。
それはどこかの暗い森の中。周りは木々が生い茂っているのにも関わらず、虫の声は一切聞こえない。
すると、
ズリ… ズリ… ズリ…
何かが這いずるような音が聞こえる。しかし、ボクの体は金縛りにあったかのように動かないんです。
ズリ… ズリ… 音が段々と近づいてくる。そして、
「ヒッ…」
中国の呪いも恐ろしさですね。
楽しく読ませて頂きました。
4.8メートルて刻むなぁ