恐怖!真っ向否定短冊
投稿者:月子 (9)
長編
2023/07/11
19:23
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まぁ探す手間もなく、2つ並べたうち、友達の短冊の真横に、
ご丁寧に短冊とセットで用意された物とは違う紐で結んでありましたがね!
セットで使え。クソ。
しかも裏になってて読めないし。クソ。クソ。
キレそうになった自分も落ち着かせ、
ぴらりと短冊をめくりました。
【む り だ よ】
短冊いっぱいに、いいえはみ出るほど、
大きく、幼げな字体で書かれた4文字に私たち2人はギョッとしました。
無理だというその文面にもですが、
問題はその字を形作るインクです。
所々に何かの塊が付いていて、特に鼻を近づけた訳でもないのに少し生臭く、赤黒い…
なんじゃいこれ。
あん?と首を傾げて思案する私の肩を、
友達がぐっと後ろに引きました。
『どうしたの?怖くなった?大丈夫だよー』
「馬鹿違うよ馬鹿、あんたこれ、」
経血じゃないの。
空気が凍り付きました。
そう言われれば納得がいきます。
何かの塊、あれは血に混じって排出される子宮内膜。
生臭いのは、なんとなく女性の方ならお分かりになるかも知れません。個人差はありますが。
赤黒いのは、血だから。
合点がいった私は、勘の良い友達の手を引っ張り全力でクレープ屋へ走りました。
もうお財布事情になんて構わず、
2人ともバカデカいクレープを買い、
こってりとした甘さで恐怖心を誤魔化しました。
『あんたさっき2回馬鹿って言ったよね?』
「馬鹿じゃん、あれ普通すぐ気づくよ。
てか字が赤黒かったらまず読むな」
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