「ここなんでしょ、あなたが帰りたかったところ・・・」
もう太陽が昇り始めており、夜のようにはっきりとは見えないが、霊の表情は目を見開いて
震えているようだった。
霊が工場の方へ向かう。朽屋も歩き出す。
現社長である息子の姿が見えてきた。
朽屋の目には、その横に着物を着た女性の霊の姿も見える。
おそらく蕎麦屋の幽霊の奥さん、つまり現社長の母親に違いない。
亡くなってからもずっと、息子を見守りながら、夫の帰りを待っていたのかもしれない。
「よかったね、家族三人、やっと揃ったみたいじゃん」朽屋は満足した。
・・・・・・
その頃、クルマの後部座席で泥のようになっていたヴィンセント三上が意識を取り戻していた。
「あれ・・・ここ・・・どこ?・・・なにこの・・・大自然・・・」
・・・・・・
工場の社長としばし歓談した3人は、店主が帰り際に直接そば粉を買って持ち帰り、
朽屋は助手席でイビキ・・・ヴィンセント三上の運転で東京に帰ることとなった。
・・・・・・
次の日の晩。
屋台の蕎麦屋の前に、なにやら若者の集団が大勢集まっており、異様な雰囲気になっていた。
「ねぇねぇ蕎麦屋のおじさん! あのダンス踊ってた子はまだこないの??」
・・・朽屋が踊っていた謎のお蕎麦ダンスが、SNSでバズっていた・・・。
「うわぁ・・・朽屋さぁーーん、今日も来てーーーー!!」
【←to be continued】
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kamaです。いつも読んでいただきありがとうございます。
今回、朽屋瑠子シリーズ9作目は、珍しく前作【アジサイ事件】の続きとなりました。
【アジサイ事件】のコメント欄で、以前書いた蕎麦屋の話の解決編も読みたいというリクエストをいただきましたので、急遽、他のネタは後回しにしてこちらを書かせていたただ来ました。
いかがでしょうか。蕎麦屋の話、解決編でした。
また次回もよろしくお願いします。
いつもの恐さと違い、ハッピーエンドで良かった。ダンスを踊る瑠子がバズっている、その後の話も読んでみたい!
クッチャルコシリーズの大ファンです!瑠子ちゃん可愛すぎる。今回の話はほっこりする癒し系の話でしたね。次回作も期待してます。
↑kamaです。コメントありがとうございます。大ファン宣言うれしいですねー。きっと朽屋も大喜びしていることでしょう。
毎回涙誘う大変ええ話を投稿ありがとうございます。特に三上と朽屋のやり取りがこの話を引き立てて良いです。
↑kamaです。コメントありがとうございます。ヴィンセント三上について今後朽屋とどのようにして出会ったかというお話も準備しようと思っている所です。いつか書こうと思いますのでお楽しみに。
朽屋瑠子シリーズはキャラたちが勝手にどんどん話を進めていくので書いてる自分も楽しいです。
ここで書くよりカクヨムとかに投稿したほうがいいんでない?