猫を虐待した人物と呪い
投稿者:レイレサ (64)
数日後、私の両親が険しい表情をして私と弟にあることを聞いてきた。
「数日前に麻袋の中から猫を出したのはお前達か?」
私も弟もその日に見た出来事を正直に両親に伝えた。
両親はしばらく考え込むと重々しく事の真相を話し出した。
私達が子猫を解放した次の日に私の家に中年女性が不機嫌そうにやってきた。
女性の言い分はこうだった。
「邪魔な猫を処分しようとしたのに、あんたところの子供が解放しやがった」
「このまま放っておけば猫はそのうち餓死して消えてくれたのに、また猫が戻ってきた」
「猫を殺し損ねた、一体どうしてくれるんだ!」
中年女性のおぞましい表情と言い分に私の両親は酷く困惑してしまったとのことだった。
その場は「子供のしたことだから」というような感じでうまく説得して帰ってもらったらしいが、中年女性のえげつない言動にドン引きした私の両親はややこしいことに巻き込まれたくない思いもあったようだ。
「これからは何かあっても下手なことはしてはいけないよ、生きている人が一番怖いんだから」
「どんなことされるか分からないから、可哀想なものを見ても見て見ぬふりするんだよ」
両親からこう言われてしまった私も弟も悲しい気持ちになってしまった。
可哀想なことになっている動物に救いの手を差し伸べることすら出来ないのか。
両親としては厄介な人物と関わりたくないと思ったからこう言うしかなかったのかもしれないが、立場の弱い存在は誰かが守ってあげなければならない。
今だとSNSを駆使して里親探しは出来るかもしれないが、当時はそういう便利なツールはまだ存在していなかった。
選択肢というものが今のようにはなかった時代だった。
あの子猫達がその後どうなったのかは両親は知っているようだが、私達には教えてくれなかった。
ただ、あの中年女性がその後あまりよろしくない状況で死んだことだけは風の噂で聞いたことがある。
猫の呪いによって何か起きたのかもしれないが、真相を知る者はいない・・・。
猫が可哀想
こういう大人に育てられた子供は可哀想だな